新型コロナの新しい治療薬開発で米国BARDAから585億円の助成金受領 塩野義製薬

 塩野義製薬は17日、新型コロナ感染症に対する新たな抗ウイルス薬「S-892216」の開発において、生物医学先端研究開発局(BARDA)が資金提供するコンソーシアムである緊急対応パートナーシップ(RRPV)より、3億7500万ドル(約585億円)の助成金を受領する契約を締結したと発表した。
 同助成は、長期間持続型注射剤による新型コロナ感染症の重症化を抑制する曝露前予防のための薬剤開発を支援する重要な助成として、米国BARDAより選定されたもの。米国保健福祉省(HHS)、事前準備・対応担当次官補局(ASPR)、BARDAによる連邦資金から提供されており、その他の取引番号(Other Transaction Number)は75A50123D00005である。
 同注射剤の開発については、2025年中に米国でのIND申請(Investigational New Drug Application)とP1試験の開始を予定している。
 なお、同件が2025年3月期の連結業績予想に与える影響に関しては、今後、状況に応じて精査していく。

◆John Keller塩野義製薬上席執行役員R&D管掌のコメント
 新型コロナ感染症は、ワクチンや治療薬が利用可能となった現在も、依然として公衆衛生上の重大な課題となっている。米国BARDAに、このアンメットニーズを満たす可能性のあるS-892216が助成対象に選ばれたことを心から感謝している。今後、当社の有する抗ウイルス薬開発における専門性と新型コロナ感染症に対する知見や継続的な取り組み、そしてBARDAからの支援を基に、S-892216のCOVID-19曝露前予防に対する開発を加速していく。

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