アストラゼネカは28日、新型コロナウイルスに対応する世界の医療従事者に900万枚のマスクを寄贈すると発表した。同社は、WHOの支援のもとに立ち上げた世界経済フォーラム「COVIDアクション・プラットフォーム」と連携し、マスクを最も必要としている国々を特定。その結果、マスクはイタリアへ先行出荷され、次いでその他の国にも配布される。日本でも、新型コロナウイルス感染拡大でマスクが手に入りにくい状況が続いているため、医療従事者に渡るよう厚生労働省に 30万枚のマスクが寄付された。同時に、アストラゼネカは、COVID-19(新型コロナウイルス感染症)の検査を強化するため、診断検査の開発に注力し、各国政府と協同し既存検査を補完する活動を推進している。
また、治療薬の安定供給を確保するため、同社は製造および物流に携わる従業員の感染検査をする予定だ。アストラゼネカの研究開発部門では、新型コロナウイルス感染症治療の開発に向けて、モノクローナル抗体を特定し、臨床試験で検証する活動を加速させてきた。同感染症の世界的影響を最小限にとどめられるよう、研究、臨床、薬事、および製造における50以上のウィルス学、免疫学、呼吸器領域、ならびにたんぱく質工学の専門家が治療薬の開発に最優先で取り組んでいる。
900万枚のマスクは、中国で製造され同国から出荷される。中国における大規模かつ加速的に進められている対策活動は、アストラゼネカの強いプレゼンスおよび同国の医療制度・製造インフラとの強固な関係によって支えられている。
新型コロナウイルス感染症の発生以来、アストラゼネカは、中国およびその他各国の医療関係組織に財政援助や治療薬・個人用保護具の寄付を重ねている。