高コレステロール血症治療薬「ベムペド酸」 製造販売承認申請 大塚製薬

 大塚製薬は26日、「ベムペド酸(一般名、以下「本剤」)について、「高コレステロール血症、家族性高コレステロール血症」を適応症とした日本国内での製造販売承認申請を行ったと発表した。
 同剤は、米国エスペリオン社が創製した新規作用機序を有する薬剤で、肝臓中のクエン酸分解酵素のATPクエン酸リアーゼに作用することでコレステロール合成経路を阻害する。米国や欧州をはじめ、世界の複数の地域において、高コレステロール血症治療薬として販売されている。
 大塚製薬は、2020年4月に同剤の日本国内における独占的開発販売権をエスペリオン社から取得した。
 今回の申請は、大塚製薬が日本国内で実施したP3試験(NCT05683340)結果に基づくもの。同試験は、スタチン効果不十分、またはスタチン不耐の高LDLコレステロール血症患者96名を対象としたプラセボ対照、無作為化、多施設共同、二重盲検、並行群間比較試験として実施された。
 同剤180mgまたはプラセボを1日1回12週間経口投与し、同剤の有効性および安全性を評価している。主要評価項目である投与12週間目でのLDL-Cのベースラインからの変化率は、プラセボ群で-3.46%、同剤群で-25.25%であり、プラセボ群と比較して統計学的な有意差をもって有効性を示した(p<0.001)。
 また、同剤の安全性と忍容性は良好で、重篤な有害事象は認められなかった。
 高コレステロール血症の患者の中には、スタチンを服用していても管理目標値を達成できていない人(スタチン効果不十分)や、スタチン服用に伴う有害事象の出現によって、継続服用が困難な状況(スタチン不耐)に陥っている人がいると言われている。同剤は、スタチン効果不十分またはスタチン不耐の高コレステロール血症患者に対する新たな治療選択肢となることが期待されている。

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