アッヴィは19日、スキリージ(一般名:リサンキズマブ)について、潰瘍性大腸炎治療薬として米国FDAより承認を取得したと発表した。
対象は、中等症から重症の活動期潰瘍性大腸炎を有する成人患者で、同剤が中等症から重症の潰瘍性大腸炎および中等症から重症のクローン病の両疾患に対して承認を得た初のIL-23阻害薬となった。
これにより、スキリージは、免疫介在性炎症性疾患領域において4つの適応症に対する承認を取得したことになる。
潰瘍性大腸炎の患者数が100万人を超える米国は、同疾患の患者人口が最も多い国の1つであり、その数は増え続けている。潰瘍性大腸炎は、炎症性腸疾患(Inflammatory Bowel Disease: IBD)の一種であり、消化管の炎症を引き起こし、その結果として結腸粘膜を損傷する場合がある
多くの患者が、腹痛、血便および便意切迫感など、日常生活に影響を及ぼす予測不能な症状を示す。疾患の経過は患者によって異なり、一部の症例では、外科手術やがん、または死亡を含む合併症の発症に至るケースもある。
同適応症におけるスキリージの投与には、1200mgを4週間ごとに3回投与する12週間の寛解導入期と、続いて180mgまたは360mgを8週間ごとに投与する維持期がある。寛解導入期の後、スキリージの投与はオンボディ・インジェクター(OBI)を利用し、自宅で行うことができる。
OBIは、患者に配慮して設計されたハンズフリーの装置で、体に接着させて使用し、準備が終わった後に約5分間で薬剤の投与が終了する。
スキリージは、ベーリンガーインゲルハイムとアッヴィの業務提携の一環で、アッヴィが世界的に開発と販売を主導している。
◆Edward V. Loftus Jr.ミネソタ州ロチェスター・メイヨークリニック消化器病学および肝臓病学部門Maxine and Jack Zarrow Family財団教授(M.D.)のコメント
潰瘍性大腸炎患者さんの治療にあたっては、内視鏡的改善だけでなく、早期の臨床的寛解と持続的な臨床的寛解の両方に重点を置くことが重要である。今回のスキリージの承認は、そのような治療目標を目指すための重要な一歩である。
◆Roopal Thakkarアッヴィsenior vice president兼chief medical officer, global therapeutics(M.D.)のコメント
本日の、スキリージの潰瘍性大腸炎に対する承認は、アッヴィのIBDポートフォリオを拡大し、患者さんの継続的なニーズに応えるという私たちのコミットメントを体現するものである。
アッヴィは今後もIBDの症状に悩む患者さんの日常生活と治療のあり方を変えるべく尽力していく。