HYQVIA 慢性炎症性脱髄性多発根神経炎維持療法でCHMPが肯定的見解 武田薬品

 武田薬品は18日、遺伝子組換えヒトヒアルロニダーゼ含有皮下注用人免疫グロブリン製剤「HYQVIA」について、慢性炎症性脱髄性多発根神経炎(CIDP)を対象とした維持療法として欧州医薬品庁(EMA)の欧州医薬品評価委員会(CHMP)から肯定的見解を受領したと発表した。
 15日(米国時間)にCHMPが、CIDP患者を対象とし、静注用免疫グロブリン製剤(IVIg)による療法で安定した後の維持療法としてのHYQVIAの承認を推奨したもの。
 欧州委員会(EC)は、欧州連合全体でのCIDPに対するHYQVIAの製造販売承認を判断する際に、CHMPの肯定的見解を考慮する。
 CIDPは、末梢神経系に影響を及ぼす後天的な免疫介在性の病態であり、四肢の遠位および近位における進行性の左右対称性の脱力と感覚機能の障害を特徴とする。
 この希少な、衰弱性の緩徐に進行または再発する疾患に対する維持療法としてのIgの役割は十分に確立されており、幅広い免疫調節作用と抗炎症作用により、欧州神経学会と末梢神経学会のガイドラインでは、この複雑で多様な疾患に対する標準治療とみなされている。
 とはいえ、この疾患を効果的に管理するために必要な免疫グロブリンの投与量と投与頻度が多いということは、患者や医療従事者にとって治療が困難であることを意味する。
 今回申請されたHYQVIAの適応拡大は、成人のCIDP患者を対象に維持療法としてのHYQVIAを投与したピボタル臨床P3相ADVANCE-CIDP1試験のデータに基づいている。HYQVIAは、成人のCIDP患者に対する維持療法として米国で承認審査中である。

◆クリスティナ・アルキメッツ武田薬品シニア・ヴァイス・プレジデント、プラズマ デライブド セラピーズビジネス ユニットのリサーチ&デベロップメントヘッドのコメント
 当社は、神経免疫学的障害のある患者さんに差別化された免疫グロブリン療法をお届けし、幅広い患者さんのニーズに対応する治療選択肢を提供することに注力している。
 このCHMPの肯定的見解は、CIDP患者さんとその介護者に有効な治療法を提供するための重要な一歩であり、承認されれば、在宅または医療機関での最長で1か月に1回の皮下投与により、それぞれの患者さんに適した維持療法を提供できる可能性がある。

タイトルとURLをコピーしました