てんかん発作抗けいれん薬「ジアゼパム点鼻液」 国内P3試験で好中間解析結果 アキュリスファーマ

  アキュリスファーマは18日、抗けいれん薬ジアゼパム点鼻液(開発コード:NRL-1)について、てんかん発作に対する抗けいれんを対象とした国内P3試験で良好な中間解析結果を示したと発表した。
 てんかん重積状態を有する又はてんかん重積状態に移行する恐れのあるけいれん発作を有する6歳以上 18 歳未満の日本人患者を対象にしたP3試験において、予め規定された中間解析でけいれん発作消失の主要評価項目を達成したもの。
 同試験は、複数の臨床的に関連のある評価項目を用いて、有効性、薬物動態、安全性および忍容性データから示される包括的エビデンスに基づいて、ジアゼパム点鼻液の臨床効果を評価するよう設計された。
 ジアゼパム点鼻液は、てんかん重積状態又はてんかん重積状態に移行する恐れのある発作に対する臨床試験において有効性と安全性を示した日本で初めての鼻腔を薬物投与経路とする抗けいれん薬である。
 同試験では、主要評価項目である臨床的にけいれん発作と判断される状態が本剤単回投与後10分以内に消失し、かつ単回投与後 30分間けいれん状態が認められなかった割合を評価し、有効性が示された。
 また、投薬中止に至る有害事象及び治験薬との因果関係がある重篤な有害事象は認められず、呼吸抑制に関連する有害事象も認められなかった。
 同試験の中間解析から得られたこれらのデータに基づき、アキュリスファーマはてんかん発作を繰り返す患者の緊急治療ニーズに応える本邦初の経鼻投与型抗けいれん薬として、ジアゼパム点鼻液の製造販売承認申請を目指している。また、今後開催される国内医学会でこの中間解析の結果を発表する予定だ。
アキュリスファーマは、革新的な治療薬の開発と同時に、外部パートナーと協業し、日本におけるてんかん発作の実態や課題について明らかにし、その結果を今後のてんかん発作の医療提供体制の整備等に役立てていくことを目指している。加えて、てんかん発作に地域社会全体で対応するエコシステムの構築を推進している。

◆綱場一成アキュリスファーマ代表取締役社長のコメント
 多くのてんかん患者さんは、適切な治療によって通常の社会生活を送ることが可能であるが、薬物治療で発作をコントロールすることが難しい患者さんは、医療機関の外でいつ、どこでおきるかわからない発作の不安に苛まれている。
 有効性と安全性に加え、発作時に非医療者が適正に使用しやすい利便性に優れた緊急治療薬へのアクセスが可能になれば、身体的・精神的負担の軽減、そして発作遷延による後遺症リスクの軽減にも寄与し得ると期待を寄せている。
 てんかん発作中の患者さんに投与しやすい経鼻投与型の抗けいれん薬は、米国では2020年に承認済みで広く使用されている製品である。ドラッグ・ラグ/ドラッグ・ロスの解消を目指す当社の取り組みによって、繰り返すてんかん発作を抱える患者さんと介護者に革新的な治療薬と希望を一日も早く届けられるよう、今後も患者団体、医療関係者および規制当局と連携し、事業を推進していく。

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