カピバセルチブとフェソロデックス併用療法 P3試験で好結果 アストラゼネカ

アストラゼネカは10日、カピバセルチブとフェソロデックスの併用療法について、HR陽性の進行乳がん患者を対象としたP3臨床試験(CAPItello-291)において、フェソロデックスと比較して無増悪生存期間を有意に延長したと発表した。
 同試験では、アストラゼネカのカピバセルチブとフェソロデックスの併用療法と、プラセボとフェソロデックスの併用療法と比較して、統計学的に有意かつ臨床的に意義のある無増悪生存期間(PFS)の延長を示した。
 被験者は、サイクリン依存性キナーゼ(CDK)4/6 阻害薬併用の有無を問わず、内分泌療法後に再発または増悪したホルモン受容体(HR)陽性、ヒト上皮増殖因子受容体 2(HER2)低値または陰性の局所進行性または転移性乳がん患者。
 同試験の主要評価項目は、全患者集団および事前にバイオマーカーによってサブグループ化された PIK3CA、AKT1 または PTEN 遺伝子変異が認められる腫瘍を有する患者群の PFS で、いずれの患者群においても延長が認められた。
 なお、解析時点での全生存期間(OS)中央値は未達であったが、早期データとして有望なものであった。引き続き重要な副次評価項目として OS を評価していく。
 カピバセルチブとフェソロデックスの併用療法の安全性プロファイルは、この併用療法を評価したこれまでの試験と一貫していた。
 乳がんは、世界中で最も多く診断されているがんで、2020年には推定 230万人が乳がんと診断された。乳がん患者の約70%は、HR陽性かつHER2低値または陰性と考えられる。
 内分泌療法は、HR陽性乳がんの治療に広く用いられているが、進行がんの患者の多くは一次治療のCDK4/6 阻害薬やエストロゲン受容体標的療法への耐性を発現するため、さらなる治療選択肢の必要性が高まっている。
 これらのデータは、今後の医学学会で発表され、各国の規制当局と共有される予定である。
 アストラゼネカは、乳がん患者さんを対象とした既承認薬および研究中の新薬候補の包括的なポートフォリオを有している。これらの臨床試験結果に加え、同日、ER陽性の進行乳がん患者における次世代の経口選択的エストロゲン受容体分解薬(SERD)であるcamizestrantを対象としたP2相 SERENA-2 試験の結果を発表している。
 なお、フェソロデックスのHR陽性進行乳がんに対するカピバセルチブとの併用療法、カピバセルチブおよび camizestrant は、本邦未承認である。

◆CAPItello-291試験治験責任医師のNicholas Turner氏(ロンドンがん研究所およびRoyal Marsden NHS Foundation Trust分子腫瘍学教授)のコメント
 P3相 CAPItello-291 試験において、カピバセルチブは、HR 陽性乳がん患者さんにおいて臨床的に意義のあるPFSの延長を示した。
 この新薬候補によって、患者さんとそのご家族にとって重要な、がんのより長期間の制御が期待できる。
 
◆Susan Galbraithアストラゼネカエグゼクティブバイスプレジデント兼オンコロジーR&D責任者のコメント
 HR陽性乳がん患者さんは、内分泌療法を行ってもがんが進行したり、耐性が発現したりすることが多いため、内分泌療法が有効性をより長く発揮できる新たな治療法を喫緊に必要としてきた。
 今回示された全患者集団におけるこれらの素晴らしいデータは、カピバセルチブがHR陽性乳がん患者さんに対する新たなファーストインクラスの治療選択肢になり得ることを示している。

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