第一三共は、ダトポタマブ デルクステカン(抗TROP2抗体薬物複合体[ADC])とデュルバルマブ(免疫チェックポイント阻害剤)の併用療法による非小細胞肺がん一次治療を対象としたグローバルP1b試験(TROPION-Lung04)データを世界肺がん学会(WCLC 2023)で初めて発表した。
同試験対象者は、Actionable遺伝子変異のない再発・進行性の非小細胞肺がん患者で、有効性では、同剤とデュルバルマブとの2剤併用群14名において、客観的奏効率は50.0%(部分奏効7名)、病勢コントロール率は92.9%であった。 同剤とデュルバルマブおよびプラチナ製剤との3剤併用群13名においては、客観的奏効率は76.9%(部分奏効 10名)、病勢コントロール率は92.3%であった。
安全性(二次治療以降を含む)については、新たな懸念は認められなかった。グレード3以上の有害事象は、2剤併用群において42.1%、3剤併用群では71.4%の患者にみられた。間質性肺疾患(ILD)については、ILD外部判定委員会により4名(グレード1が1名、グレード2が2名、グレード4が1名)が薬剤と関連のあるILDと判定され、グレード5(死亡)は認められなかった。
第一三共とアストラゼネカは、Actionable遺伝子変異のない非小細胞肺がん治療に新たな選択肢を提供できるよう、同試験および現在進行中のP3試験(TROPION-Lung07およびTROPION-Lung08等)を通じて、同剤と免疫チェックポイント阻害剤との併用療法の開発を加速させていく。