糖尿病患者向け持続グルコース測定器の世界的な大手企業・デックスコム社は、アイルランドゴールウェイ県アーセンリーに最新のグローバル製造工場の建設を計画している。
アイルランド政府産業開発庁が29日に公表したもので、同事業は、アイルランド政府産業開発庁を通じてアイルランド政府が支援し、5年間で総投資額3億ユーロ、最大1000人の高技能職の雇用を創出すると見込まれる。
計画が認可されれば、アイルランド工場はデックスコム社にとって欧州初の製造拠点となり、米国とマレーシアに展開する既存工場の生産能力拡大に貢献する。
新工場は、年間数百万個のDexcom CGMセンサーを生産して、世界中の糖尿病患者の生活向上に役立てます。計画認可を待って、新工場はアーセンリーのアイルランド政府産業開発庁の戦略的ランドバンクに建設される予定だ。
アーセンリー工場では、グリーンテクノロジーを積極的に取り入れ、高度に自動化された効率的な製造ラインを組み込む。デックスコム社は、工場期間中に約500人を雇用し、工場本格稼働後は最大1000人のハイテク分野の新卒者や技術者を雇用する見込み。
2022年10月時点で、アイルランドは、糖尿病を適切に管理するパワフルかつシンプルな方法を提供する同社の次世代CGMシステム「Dexcom G7」を世界展開するための重要な市場の一つであった。このシステムは、薄型の一体型ウェアラブル装置で、リアルタイムでグルコースの測定値をスマートデバイスやレシーバーに自動送信するもので、痛みを伴うフィンガースティックや面倒なスキャンを不要にする。
Dexcom G7は、A1Cを下げ、高血糖症・低血糖症を減少させることが臨床的に証明されている信頼性の高いDexcom CGMをベースに構築されている。
◆レオ・バラッカーアイルランド首相のコメント
デックスコム社の皆さんにお祝いを申し上げる。当初の建設段階に加え、その後も数年にわたって最大1000人もの技術職を創出するとあり、ゴールウェイ県および周辺地域の雇用と経済に喜ばしいニュースである。
また、民間企業一社による投資額としてはアイルランド西部で過去最大規模となる。同社が創出する1000人の雇用に加え、同地域の他の企業にもスピンオフ、雇用、契約等の多くの機会をもたらすだろう。
アーセンリーがデックスコム社の欧州初の製造拠点になるとの発表は、バランスのとれた地域開発を目指す政府方針と合致している。同地域のインフラへの政府による大型投資とアイルランド政府産業開発庁の努力によって実現した。
◆デレク・フィッツジェラルドアイルランド政府産業開発庁日本代表のコメント
デックスコム社の発表は、医療技術分野における自己監視と投薬のトレンドを示す事例であり、昨年のアボット社による同様の発表に続くものだ。
医療技術企業は、製造拠点としてだけでなく、研究開発拠点としてもアイルランドを選んでおり、現在アイルランドにある医療技術企業の75%以上が研究開発に取り組んでいる。