片岡一則センター長がBiomaterials Global ImpactAward受賞 iCONM

片岡氏

 医療イノベーションセンター(iCONM)は2日、片岡一則センター長が、バイオマテリアル領域で世界的に権威のある Biomaterials Global ImpactAward を受賞したと発表した。
 同賞は、国際的学術誌 Biomaterialsが選考するもので、生体素材、生体デバイス、生物製剤、ナノ医療といった近年注目されるバイオマテリアルの領域で世界的に影響力があると認定された研究者に授与されるもの。
 過去2回の受賞者はいずれも米国の研究者であり、片岡氏は初の米国以外の研究者としての受賞となる。第1回目の受賞者 Robert Langer 教授(マサチューセッツ工科大学)、第2 回目の受賞者 Nicholas Peppas 教授(テキサス大学)は、ともに世界を代表するバイオマテリアル研究者で、画期的な製剤技術およびデバイスの創出で社会に大きく貢献している。
 片岡氏の授賞式は、4月21日、米国バイオマテリアル学会2023年度年会(SFB2023@米国サンディエゴ)で執り行われる。
 片岡氏(川崎市産業振興財団 副理事長、ナノ医療イノベーションセンターセンター長、東京大学名誉教授)は、過去40年間にわたり、バイオマテリアルの分野、特にドラッグデリバリー/ドラッグターゲット、非ウイルス性遺伝子導入、ナノ医療の分野で数多くの実績をあげている。
 これまでに600報超の査読付き論文を発表し、9万6000 回以上引用されている(h-index は 161)。トップ1%高被引用論文著者として2017年から現在まで6 年連続、計7回認定されている。
 特許数も600件を超え、ベンチャー企業5社の経営に関与している。クレムソン賞(生体材料学会)、創設者賞(Controlled Release Society)、フンボルト研究賞(2012)、江崎玲於奈賞(2012)、高松宮癌研究基金賞(2017)など多数の受賞歴があり、日本工学アカデミー(2011)、米国工学アカデミー(2017)、米国発明家アカデミー(2017)にも選出されている。
 現在、iCONM では片岡センター長の下、高分子ナノミセルを用いた革新的なナノ DDS研究を進めており、ここ数年で9社のスタートアップ企業を設立した。

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