ブレヤンジ 慢性リンパ性白血病P1/2試験で完全奏効率達成 ブリストルマイヤーズスクイブ

 ブリストルマイヤーズスクイブ(BMS)は6日、ブレヤンジについて、再発又は難治性の慢性リンパ性白血病患者を対象にしたP1/2試験(TRANSCEND CLL 004 試験)において
主要評価項目である完全奏効率を達成した発表した。 対象は、再発又は難治性(R/R)の慢性リンパ性白血病(CLL)または小リンパ球性リンパ腫(SLL)の成人患者。ブレヤンジは、CD19 を標的とする CAR T 細胞療法で、4-1BB 共刺激ドメインを有することで CAR T 細胞の増殖と持続性を高める。
 TRANSCEND CLL 004試験の結果、BTK阻害剤に難治性でBCL-2 阻害剤による治療歴を有するR/R CLL患者のあらかじめ規定したサブセットにおけるヒストリカルコントロールと比較して完全奏効率が改善し、同試験主要評価項目の達成が示されました。
 TRANSCEND CLL 004試験において、ブレヤンジの新たな安全性シグナルは認められなかった。
 BMSは、TRANSCEND CLL 004 試験のデータの評価を完了させ、今後の学会での詳細な結果の発表に向けて治験担当医師と連携するとともに、規制当局と協議していく予定だ。
 CLLは、成人の白血病の中で最も一般的な型の一つである。CLLでは、骨髄中の造血幹細胞が異常なリンパ球となって過剰に増加し、これらの異常細胞は感染症に対する抵抗力が弱くなる。
 異常細胞の数が増えるに従い、正常な白血球、赤血球および血小板が減少する。小リンパ球性リンパ腫(SLL)もリンパ球に影響を与える疾患で、がん細胞は主にリンパ節に多くみられる。CLLとSLLには複数の治療法があるものの、分子標的薬による治療歴を有する再発又は難治性のCLL または SLL に対する標準治療はなく、新たに有効な治療法が必要とされている。再発又は難治性疾患の患者の治療選択肢は限られており、一般的には治療回数を重ねるごとに奏効期間が短くなる。
 一方、TRANSCEND CLL 004 試験(NCT03331198)は、再発又は難治性の慢性リンパ性白血病または小リンパ球性リンパ腫の患者を対象に、ブレヤンジを評価した非盲検単群多施設共同P1/2試験である。
 同試験のP1相用量漸増パートでは安全性、続くP2相拡大コホートの推奨用量を評価した。同試験のP2相パートでは、P1相パートの単剤療法群における推奨用量でブレヤンジを評価している。
 同試験のP2相パートにおける主要評価項目は、2018年の慢性リンパ性白血病に関する国際ワークショップ(iwCLL)のガイドラインに基づく独立評価委員会の評価による、不完全な骨髄回復を伴う完全寛解を含む完全奏効率であった。

◆アン・ケルベBMS細胞療法開発責任者・シニアバイスプレジデントのコメント
 CLL は、生物学的に複雑で、免疫調節異常を呈する難病であり、深い寛解が可能なT細胞による治療法を開発することは極めて困難な状況にある。治療選択肢が限られた患者集団において、TRANSCEND CLL 004 試験は、複数の治療歴を有する再発又は難治性のCLL または SLL 患者さんを対象に CAR T 細胞療法を評価した初の多施設共同試験である。
 試験の結果、治療が困難なこれらの患者さんにとって、ブレヤンジが個別化された1回限りの治療法となる可能性を示している。

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