塩野義製薬は23日、新型コロナ経口治療薬「エンシトレルビル」(日本での製品名:ゾコーバ)について、同社と中国平安との合弁会社の平安塩野義が、上薬控股(本社:中国上海)と中国大陸地区における輸入・流通契約を締結したと発表した。
上薬控股は、上海と香港の証券取引所に上場している大手製薬グループである上海医薬の子会社で、医薬品の流通に特化した企業である。
今回の輸入・流通契約に基づき、上薬控股は、製造販売承認取得後のエンシトレルビルの独占的な中国国内への輸入と卸への販売を担う。
また、今回の契約締結に伴い、平安塩野義と上海医薬は、新薬の輸入とともに中国国内での流通・製造や、ジェネリック医薬品の販売ネットワークの拡大など、様々な協業について、今後検討を進める旨を合意しており、両社が協力して中国でより良いヘルスケア製品を提供できるように検討・協議を進める。
平安塩野義は、既にエンシトレルビルの中国における新薬承認申請に向けて、中国国家薬品監督管理局(National Medical Products Administration)薬品審評中心(Center for Drug Evaluation、CDE)へ資料の提出を開始しており、2022年11月22日の日本国内での緊急承認取得を受け、引き続きCDEとの緊密なコミュニケーションを継続していく。
中国におけるエンシトレルビルの製造販売承認を取得次第、上薬控股と協力して一日も早く安定供給を実現することで中国における新型コロナ感染症の治療に貢献できるよう、協業を推進していく。
なお、同件が2023年3月期の連結業績予想に与える影響に関しては、今後、状況に応じて精査する。