アッヴィは17日、ヤヌスキナーゼ(JAK)阻害剤「リンヴォック」について同日より45mg錠を発売したと発表した。
45mg錠は、本年9月26日に製造販売承認され、11月16日に薬価収載された。
リンヴォックは、本年9月既存治療で効果不十分な中等症から重症の潰瘍性大腸炎を効能・効果として製造販売承認を取得している。
同承認により、同剤は日本において、関節リウマチ、関節症性乾癬、アトピー性皮膚炎、強直性脊椎炎に続く5番目の適応症を得た。
リンヴォックは、低分子の JAK 阻害剤で、1 日 1 回投与の経口剤で、潰瘍性大腸炎における用法及び用量は、導入療法では、通常、成人にはウパダシチニブとして 45mgを1日1回8週間経口投与する。なお、効果不十分な場合はさらに8週間投与することができる。
維持療法では、通常、成人にはウパダシチニブとして15 mgを1日1回経口投与する。なお、患者の状態に応じて30mgを1日1回投与できる。
今回の45mg錠の発売により、潰瘍性大腸炎治療において、15mg錠、30mg錠に加えて新たな剤型の選択肢が加わり、45mg錠1回投与により服薬する錠剤数を減らし、患者の服薬時の負担軽減につながることが期待される。
また、45mg錠の発売を機にリンヴォック7.5mg、15mg、30mg、45mgすべての剤形において、包装規格を従来の1枚10錠入りのシートから、1枚7錠入りのウィークリーシートに順次、切り替える。
1週間の服用を1シートで管理することで、飲み忘れ防止など患者さんの服薬コンプライアンスの向上に加え、週単位での処方・在庫管理が可能になり、医療関係者の作業効率化が期待される。
潰瘍性大腸炎は、原因不明の炎症により、大腸の粘膜が傷つき、びらん(ただれ)や潰瘍ができる指定難病である。慢性的な下痢・血便、腹痛に加え、発熱や貧血などの症状が現れ、症状が良くなったり(寛解)悪くなったり(再燃)を繰り返します。潰瘍性大腸炎の原因はまだ完全には分かっていないが、細菌や異物などから身体を守る「免疫」の異常が関係していると言われている。
30歳以下の患者で多く発症するが、小児や50歳以上の年齢層にもみられ、日本国内における患者数は約22万人と推定され、年々増加している。