マイフェンブリー 米国で子宮内膜症での適応追加承認取得 住友ファーマ

 住友ファーマは8日、マイフェンブリーについて、米国FDAより、閉経前の女性の子宮内膜症に伴う中等度から重度の痛み(投与期間は最大24カ月)を適応症とした 1 日 1 回 1 錠投与の治療剤として承認を取得したと発表した。同剤を開発する住友ファーマ連結子会社のマイオバント社と提携先のファイザーが5日(現地時間)に公表したもの。
 子宮内膜症は、長期的な治療介入を必要とする深刻な慢性疾患で、治療体系の最適化が求められている。同剤は、閉経前の女性の子宮内膜症に伴う中等度から重度の痛みを薬理学的に管理するための、最長2年間の治療選択肢となる。
 また、マイフェンブリーは米国において、閉経前の女性の子宮筋腫に伴う過多月経の適応症でも承認を取得している。マイオバント社とファイザー社は、引き続き米国で同剤を共同で販売する。
 同承認は、『The Lancet』に掲載された、1200人を超える子宮内膜症に伴う痛みを抱える患者を対象とした24週間の2つの国際共同臨床試験(SPIRIT1試験および SPIRIT2試験)と、同剤の長期投与を評価したオープンラベル継続投与試験から構成されるP3試験の投与開始後1年間の有効性および安全性に関するデータに基づいている。
 これらの試験において、同剤は月経困難症および月経に起因しない下腹部痛を改善し、投与開始から 1 年間で骨密度の低下は 1%未満であった。
 SPIRIT1試験およびSPIRIT2試験の主要評価項目は、月経困難症の改善および月経に起因しない下腹部痛の改善の 2 つであった。月経困難症の改善については、両試験共に本剤投与群の75%が投与24週目において臨床的に意義のある改善(プラセボ投与群 27%および 30%、両試験共に p<0.0001)を示し、月経に起因しない下腹部痛については、同剤投与群の 59%および 66%が投与 24 週目において臨床的に意義のある改善(プラセボ投与群 40%および 43%、両試験共に p<0.0001)を示した。
 マイフェンブリー投与群で3%以上に発現し、かつプラセボ投与群よりも発現割合が高かった有害事象は、頭痛、血管運動神経症状、気分障害、不正子宮出血、吐き気、歯痛、背部痛、性欲減退、関節痛、疲労、めまいであった。
同承認に伴い、マイオバント社はファイザー社から承認時マイルストンとして1億米ドル(約125億円)を受領し、住友ファーマは2023年3月期に約3800万米ドル(約47億円)を繰延収益として、連結売上収益に計上する予定である。
 同承認は、2023年3月期連結業績予想には織り込んでいないが、業績に与える影響は軽微である。今後、開示すべき事項が発生した場合には速やかに公表する。

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