京都府薬剤師会は19日、2022年度第20回定時総会をWebで開催し、政府が7日に閣議決定した骨太方針2022の中で薬剤師に関するオンライン資格化やリフィル処方箋の普及・定着などへの対応アシストに尽力することを確認した。加えて、2021年度事業並びに決算について報告したほか、2022年度第一次補正予算案を承認した。
始めのあいさつで河上英治会長は、「新型コロナ感染症は、6月15日時点で新規陽性患者数1週間平均が約288人程度となり、7日間平均で前週比0.86%、重症病床率は1.2%で、通常の生活に戻れる方向にある」と指摘した。
さらに、6月22日に厚労省の医薬品第二部会で緊急承認制度により審議される塩野義製薬の経口新型コロナ治療薬「ゾコーバ錠」に言及。「ラゲブリオより有効率が高く、パキロビッドパックのような相互作用がないゾコーバ錠が承認されて新型コロナの致死率がインフルエンザ並みに近づけば、2類から5類相当になる日もそう遠くない」と期待を寄せた。
政府の骨太方針2022で明記されているリフィル処方箋の普及・定着についても、「リフィル処方箋応需時には、本当にその扱いで良いかどうかを判断する必要がある。薬剤師としての力が試されることを認識しなければならない」と呼びかけた。
続いて土師雅弘京都府健康福祉部薬務課長も祝辞の中で、「新型コロナ感染症は、これまでに承認された2種類の経口治療薬に加えて、国内企業の治療薬も承認手続きが進められるなど治療の選択肢が増えつつある」と紹介。
その上で、「感染対策と社会経済活動の両立が求めらる中で、患者さんに直接薬を交付する薬剤師の役割はますます重要になっていく。府民への正確丁寧な服薬指導をお願いしたい」と訴求した。
さらに、「京都府としても人生100年時代を迎えるに当たって、地域医療に関係し、地域から求められる薬局・薬剤師の確保に向けて京都府薬の皆さんとしっかり連携協力して取り組んでいく」考えを強調した。
政府の骨太方針2022では、来年4月以降、医療機関と薬局にオンライン資格確認システム導入の原則義務化され、将来的には保険証廃止を目指す方向性が打ち出された。
加えて、リフィル処方箋の普及定着や、来年1月からの電子処方箋のスタートなどが明記されている。電子処方箋は、患者の服薬履歴を踏まえての薬剤師の専門性を活かした適切な服薬指導に繋げていくことを目的としたものだ。
総会では、骨太方針2022の中で薬剤師に関する事項への対応アシストに尽力することが改めて認された。
また、2021年度事業報告では、コロナ禍対応プロジェクトとして、①新型コロナワクチン接種の申し込み等の支援リーフレット作成全会員薬局への配布、②京都府の大規模接種会場および市町村の集団接種会場における新型コロナワクチンの充填業務の支援、③新型コロナワクチンの充填業務における充填マニュアルの独自作成と研修会開催(2回)④経口新型コロナ治療薬の供給体制の構築や宿泊療養施設への薬剤供給ーなどが報告された。
見える化プロジェクトでは、「京都府薬でのコロナ禍対応についての医薬通信社等への発表」が紹介された。
また、2021年度からスタートした患者が自分に適した薬局を選ぶための仕組み作りを目的とした「認定薬局制度」は、府内で66薬局が認定されており、今後引き続き認定取得や、府民への周知啓発をアシストする。
2022年度補正予算は、当期収入合計2億4783万6000円、当期支出合計3億0110万5000円が承認された。