たんぱく質コンソーシアム『めざせ1日80g!たんぱく摂ろう会』 設立 明治、伊藤ハム米久、マルハニチロ

『めざせ1日80g!たんぱく摂ろう会』設立記念発表会

 明治、伊藤ハム米久ホールディングス、マルハニチロ17日、たんぱく質コンソーシアム『めざせ1日80g!たんぱく摂ろう会』を設立したと発表した。また、今回、同コンソーシアムの活動理念に賛同する長野県佐久市、日本栄養士会との連携が実現した。
 同コンソーシアムは、日本のたんぱく質摂取量の低下や低栄養という社会課題解決に対して、たんぱく質摂取の啓発を通じて、「すべての年代の人が心身共に健康で安心して暮らせる社会の実現」を目指している。

コンソーシアムロゴ


 啓発活動においては、食品業界を中心とした産業界、地方自治体、職能団体が垣根を越えて連携する。今後は、教育機関や研究機関などとの協業も視野に入れ、活動を展開する。 同コンソーシアムを設立した背景には、現代日本人のたんぱく質摂取量が1950年代と同レベルまで低下していることへの危機感がある(厚生労働省「国民健康・栄養調査」より)。
 たんぱく質不足は、若い女性では過度なダイエットが原因となり、貧血などの健康被害や出産における低出生体重児の増加、また高齢者では、少食や活動量の低下などによって筋肉量が減り、やせすぎる結果に繋がる。
 痩せすぎは、心身の機能が低下する「フレイル」を招き、やがて要介護状態へと進む一因になるといわれている。ここ数年、日本においては飽食の時代でありながら、低栄養が大きな問題となりつつある。たんぱく質を多く含んだ食生活は、大切な家族や仲間、そして日本の将来においても明るい未来をもたらす一助となる。
  17日に東京都内で開催された『めざせ1日80g!たんぱく摂ろう会』設立記念発表会では、幹事会社である伊藤ハム米久ホールディングス、マルハニチロの各社代表が挨拶した後、代表幹事会社である松田克也明治代表取締役社長が同コンソーシアムが目指すゴールや今後の具体的な取り組みについて発表した。
 中村丁次日本栄養士会代表理事会長は、現代の栄養課題として「栄養不良の二重負荷」についての解説と栄養課題解決のためのたんぱく質の重要性について紹介。
 加えて、『めざせ1日80g!たんぱく摂ろう会』のプロジェクト第一弾である食育コンテンツ『たべる教科書』のお披露目も実施した。

 また、日本栄養士会監修のもと作成した『たべる教科書』は、小学校の中・高学年を対象にたんぱく質の大切さを学び、実際に食べることで理解を深める「体験学習型の教科書である。
 教科書の前半部分には、「たんぱく質の重要性」や「各種栄養素」、さらには「体の仕組み」などについてのさまざまな解説が掲載されており、「読んで学べる」内容で構成されている。

 一方、後半部分には、「たんぱく質を十分に摂ることができる朝ご飯」を調理できる「ミールキット」が同梱されており、たんぱく質の大切さについて「食べることで理解を深める」内容になっている。
 同発表会では、『たべる教科書』を用いた“たんぱく質にまつわる公開授業”を、快適健康都市として健康に関する取り組みを推進している長野県佐久市と連携し、9月上旬に長野県佐久市内の小学校で開催することが発表された。
 さらに、『めざせ1日80g!たんぱく摂ろう会』が日本栄養士会と実施していく取り組みとして、『たべる教科書』を用いた「たんぱく質について学べるイベント」を、開催していく構想も発表された。同イベントは、47都道府県の中で最も「朝食の欠食率」が高い沖縄県からの開催が決定した。
 朝食の重要性とともに朝食でたんぱく質を摂ることの大切さを啓発していくことで、沖縄県人の健康長寿への貢献が期待される。
 『めざせ1日80g!たんぱく摂ろう会』では『たべる教科書』以外にも、たんぱく質に関する消費者調査や研究成果の発表などを行うことでたんぱく質の重要性を発信し、社会課題である低栄養の課題解決、その先のウェルネス社会の実現に向けて尽力していく。◆ 松田克也明治代表取締役社長のコメント
 昨今では、経営においてもSDGsやESGへの取り組みが重要となっており、事業活動を通じて社会課題を解決するいわゆるサステナビリティ活動が企業に求められている。
 私たち食品業界においても、食品の健康価値を通じて社会の課題を解決し、将来にわたってすべての人々が安心して暮らすことができる社会の実現への貢献が欠かせない。たんぱく質の可能性を通じて、すべての年代の方が心身ともに健康で、安心して暮らせる社会の実現を目指していきたい。

◆伊藤功一伊藤ハム米久ホールディングス常務執行役員加工食品事業本部長兼伊藤ハム代表取締役社長のコメント
 今回の取り組みは、生活者の皆さまが、たんぱく質を1日80g摂る食生活に変わることを促し、現代社会における健康課題解決に繋がると信じている。
 たんぱく質を手軽に摂れる食肉および食肉加工品を社会に提供する事業に長く携わってきた弊社は、全ての人々が心身ともに健康に暮らせる日本の未来を目指しこの取り組みに貢献していきたいと考えている。

◆小梶聡マルハニチロ常務執行役員のコメント 
 マルハニチロは、140年を超えて水産物由来の良質なたんぱく質を広く供給してきた。「海といのちの未来をつくる」というブランドステートメントのもと、事業活動を通じてさまざまな社会課題の解決に取り組んでいる。 今回、企業連携により、長年培ってきた水産物に関する知見を生かし、日本人のたんぱく質摂取量の低下や低栄養という社会課題の解決のためによりいっそう役割を果たしていきたい。

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