川崎市産業振興財団 ナノ医療イノベーションセンター(iCONM)は1日、2013 年に採択された文部科学省 COI プログラムが本年3月31 日付で満了を迎えたため組織改編を行い、同日付で次の新体制を発表した。
センター長は片岡一則氏が留任、副センター長には永井浩二氏が新たに就任した。片岡氏は「新生 iCONMは研究成果を世の中に送り届けるとともに、市民の科学・健康リテラシー向上に貢献し、オールインクルーシブなスマートライフケア社会の構築を目指したい」と抱負を語っている。
組織的には、片岡センター長が統括する「研究チーム」、永井副センター長が統括する「イノベーション推進チーム」および川崎市産業振興財団が管理する「iCONM 管理部」の各部署が、iCONM にラボを構える企業や大学はもちろん、国内外の研究機関や自治体と産学官連携によるオープンイノベーションを推進する。
・研究チーム: 人々が疾患から解放されていくことで自律的に健康になっていく社会(スマートライフケア社会)の実現を目指し、医学と工学が融合して難治がんやアルツハイマー病等に対する革新的な治療・診断法の研究開発と成果の実用化に取り組んでいる。
・イノベーション推進チーム: 企画、知財、コミュニケーションの機能を持ち、研究成果の社会実装を支援する。
・iCONM 管理部: 経理、労務、購買、施設、設備に関する業務を担う。
また、同じタイミングで川崎市産業振興財団が iCONM で展開するインキュベーション事業によって呼び込む有望なスタートアップとの連携も期待される。
新体制下、iCONMでは、引き続き大型競争的資金や民間資金の獲得を目指すとともに、川崎市および関連機関との連携により市民ニーズに応える活動を実践し、スマートライフケア社会を実現するための新たな研究開発課題にチャレンジする。
また、iCONMの活動範囲は医療・ヘルスケア分野における研究開発にとどまらず、教育分野や産業分野へと広がっている。
今後もグローバルに通用する研究センターとして、また世界を代表するイノベーションエコシステムの中核機関として、これまでに築き上げたプラットフォームを活かして、様々な取り組みを積極的に展開する