岐阜大学大学院連合創薬医療情報研究科の平島一輝特任助教は、フキノトウに含まれるペタシンを副作用の少ないがん増殖・転移阻害剤として開発する研究資金を集めるため、クラウドファンディングサービス「READYFOR」で「フキノトウから副作用の少ない抗がん・転移阻害剤の開発へ」を公開した。625万円を目標に、3月14日から4月28日まで寄付を募る(プロジェクトURL:https://readyfor.jp/projects/fukinoto)。
平島氏は、がんの特殊なエネルギー代謝を標的とした、効果的で副作用の少ないがん転移抑制方法の研究に取り組んでいる。
現在の一般的な抗がん剤治療では、脱毛・吐き気・貧血・倦怠感などの副作用が強く出ることがしばしばある。この副作用が原因で、治療を続けることができなくなったり、生活の質が著しく低下してしまうデメリットがあった。
また、こうした辛い治療を行ったとしても、最終的には複数の臓器にがんが転移してしまい、もはや治療を続けることができなくなってしまうという問題もある。
平島氏らの研究グループは、これまでの研究によって、フキノトウに含まれる「ペタシン」が腫瘍の増殖と転移を抑制でき、さらに副作用が極めて少ないという特筆すべき特徴を持った物質であることを発見した。
だが、ペタシンはまだ実験段階の化合物で、実際に治療で使える薬剤を作るためには多くの実験検証を必要とする。研究を前に進める資金が必要であるため、今回クラウドファンディングの実施に至ったもの。