武田薬品は15日、原発性免疫不全症(PID)を対象に開発中の皮下注用免疫グロブリン製剤「TAK-881」(皮下注用人免疫グロブリン20%製剤とボルヒアルロニダーゼ アルファ製剤の組み合わせ製剤)について、発性免疫不全症(PID)を対象とするP2/3試験IgGNITE(TAK-881-3001試験)で好結果を得たと発表した。
IgGNITEでTAK-881は、主要評価項目を達成し、16歳以上の患者において、ハイキュービア10%皮下注セットと薬物動態学的に同等であった。
さらに、既存のハイキュービア10%皮下注セットと比較して投与液量を50%に低減しながら、最長4週間隔の投与頻度を維持し、投与時間の短縮および必要な投与部位数の低減につながる可能性を確認。
記述的解析に基づき、TAK-881の成人PID患者における感染症アウトカム、安全性および忍容性プロファイルは、ハイキュービア10%皮下注セットと同等であり、既存の標準的な免疫グロブリン療法とも同様の傾向を示した。
これらの結果は、オランダのマーストリヒトで開催中の第22回欧州免疫不全学会(ESID 2026)において発表された。TAK-881は、承認された場合、米国において、PID患者を対象に、最長4週間隔(3~4週間隔)で投与できるヒアルロニダーゼを併用する初の皮下注用人免疫グロブリン20%製剤となる。
PIDは、免疫機能の一部が欠損、または適切に機能しないために起こる希少かつ慢性の疾患群で、その種類は550を超える。
これらの病態は、遺伝子変異に起因し、通常、遺伝する。症状は様々で、頻回および/または持続性の感染症、自己免疫異常などがみられる場合がある。米国では、PIDは約1200人に1人が罹患しているとされている。
多くのPID患者にとって、感染症に対する免疫防御を維持するため、生涯にわたる免疫グロブリン補充療法が必要である。既存の免疫グロブリン療法は有効性が確立されている一方で、頻回投与、投与液量が多く、投与時間が長いため治療負担となる場合がある。
今回発表されたTAK-881のデータでは、16歳以上の被験者において、ハイキュービア10%と同じ免疫グロブリン用量を50%少ない液量で投与でき、ハイキュービア10%よりも1投与部位あたりの投与時間の中央値を56.2分(42.6%)短縮した。
この結果は、TAK-881が、PID患者にとって、免疫グロブリン療法としての安全性、有効性、忍容性を維持しつつ、投与液量や投与時間、必要な投与部位数に伴う治療負担を軽減できる治療選択肢となり得る可能性を示唆している。
◆Jolan Walter南フロリダ大学およびジョンズ・ホプキンス小児病院 小児アレルギー・免疫学部門長の医師(MD、PhD)のコメント
PID患者さんは、生涯にわたる免疫グロブリン補充療法が必要となる場合が多く、治療に伴う負担の軽減は非常に重要である。投与液量を半減することで、ヒアルロニダーゼを併用する皮下注用人免疫グロブリン20%製剤は、1か月間隔の投与頻度を維持しながら、投与時間を大幅に短縮した。これにより、治療にかかっていた時間を患者さんにお返ししつつ、安定した免疫防御をもたらす可能性がある。
