「エムグロバート」の肥満症での開発中止 中外製薬

 中外製薬は28日、ロシュ社が開発中の皮下(SC)投与の抗潜在型ミオスタチンスイーピング抗体「エムグロバート」(開発コード:GYM329)について、肥満症を対象とした臨床開発を中止するとともに、ロシュ社におけるemugrobartの開発を終了すると発表した。
 同決定に伴い、中外製薬はロシュ社からエムグロバートに関するすべてのライセンス権の返還を受ける予定で、導出活動も視野に脊髄性筋萎縮症(SMA)に対する開発再開に向けた準備を開始している。
 肥満症における開発中止決定は、肥満症患者を対象として実施中のP2相GYMINDA試験の中間解析結果を含む、これまでに得られたデータの総合的な評価に基づくもの。
 GYMINDA試験では、肥満/過体重の患者を対象に、GLP-1/GIP受容体アゴニストにエムグロバートを併用した際の有効性および安全性を評価した。
 中間解析の結果、予め設定した臨床的に意味のある体重減少の達成が困難であると判断された。同試験においてエムグロバートの忍容性は良好であり、新たな安全性シグナルは認められなかった。
 なお、中外製薬では既存の抗肥満治療におけるアンメットメディカルニーズの克服を目指し、モダリティ横断的な抗肥満薬の創薬研究にも注力しており、今後数年で複数の開発候補プロジェクトを臨床試験へ移行させる計画である。
 2026年3月に、ロシュ社はSMAおよび顔面肩甲上腕型筋ジストロフィー(FSHD)に対するエムグロバートの臨床開発中止を公表した。その後、中外製薬は、エムグロバートの皮下(SC)投与という経路、これまでに得られた安全性プロファイル、薬力学、臨床シグナル(長期データを含む)、および第P3相臨床試験デザインの改良に基づき、SMAにおけるP3試験の実施を支持する機会を見出した。現在、第三者への導出も視野に、自社でのSMAに対する開発再開に向けた準備を開始している。
 中外製薬は、エムグロバートがSMA患者に新たな治療選択肢を提供できる可能性を引き続き評価し、革新的な医薬品の一日も早い提供を目指して、今後の開発方針を検討していく。
 なお同件が、2026年12月期の連結業績予想に与える影響はない。

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