新規アジュバントを用いたユニバーサルインフルエンザワクチン 欧州P1試験で好結果 住友ファーマ

 住友ファーマは30日、開発中の同社が創出した新規TLR7ワクチンアジュバント(DSP-0546)を用いた新規ユニバーサルインフルエンザワクチン「fH1/DSP-0546LP」について、欧州P1試験における投与1年後のフォローアップ観察を含む最終解析結果において好結果を示したと発表した。同ワクチンは、国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所(NIBN)と共同研究を実施しているもの。
 同試験で得られた一連の結果は、同剤の安全性および忍容性が概ね良好であった。加えて、良好な免疫原性、誘導された抗体の交差反応性および質的に良好な免疫応答、ならびに投与1年後まで抗LAH抗体価の上昇が概ね持続していることを示した。
 同結果を踏まえて、住友ファーマおよびNIBNは、ユニバーサルインフルエンザワクチンの実用化に向けた研究開発を引き続き推進していく。
 同試験は、18歳から40歳までの健康成人144例を対象とした無作為化プラセボ対照二重盲検比較試験である。同剤〔fH1(2μg、8μg)/DSP-0546LP(2.5μg、5μg、10μg)〕、アジュバント非添加抗原製剤〔fH1(2μg、8μg)〕、アジュバント単剤〔DSP-0546LP(2.5μg、5μg、10μg)〕またはプラセボを、3週間間隔(Day1、Day22)で2回筋肉内投与した。
 同試験の解析は、あらかじめ規定された統計解析計画に従い実施した。これまで、投与終了4週間後(Day50)までの中間解析に基づき、主要評価項目である安全性、忍容性および副次評価項目である免疫原性に加え、探索的評価項目である交差反応性の結果を公表している。
 今回、投与1年後の安全性、忍容性および免疫原性に関する最終解析が完了し、加えて、誘導された抗体のIgGサブクラスおよび中和活性に関する新たな探索的解析結果が得られた。
 これまでに公表した中間解析結果で、Day50までに安全性上の重大な懸念は認められなかったが、最終解析における投与1年後(Day386)のフォローアップ観察においても、投与1年後までに新たな安全性上の重大な懸念は認められず、概ね良好な忍容性が確認された。
 中間解析結果で、同剤投与群では、プラセボ群およびアジュバント非添加抗原製剤群と比較して抗LAH抗体価が高値を示し、H1N1亜型由来LAHに加えてH5N1亜型由来LAHに対する交差反応性も確認されていたが、同剤投与群のDay386における抗LAH抗体価は、Day1と比較して高値を維持していることが示された。
 抗LAH抗体について、さらにIgG1~4のサブクラスに関する探索的解析を実施したところ、IgG1抗体誘導のDay1に対するDay50の幾何平均増加倍率は、同剤(fH1 8μg/DSP-0546LP 5μg)投与群では27.04倍であった。
 一方、アジュバント非添加抗原製剤群(fH1 8μg)では11.93倍であった。また、誘導された抗体のH1N1株(A/California/7/2009)に対する中和活性についての探索的解析の結果では、同剤(fH1 8μg/DSP-0546LP 5μg)投与群およびアジュバント非添加抗原製剤群(fH1 8μg)におけるDay29時点のDay1からの幾何平均増加倍率は、それぞれ10.37倍および6.93倍であった。
 一方、プラセボ群およびアジュバント単剤群(DSP-0546LP 5μg)では、それぞれ0.94倍および1.59倍であった。
 従来のインフルエンザワクチンは、ウイルスの抗原変異により効力を失うため、毎年流行株に合ったワクチン株の選定・製造・接種が必要であり、新型インフルエンザに迅速に対応することは困難だ。
 同剤は、種類の異なるインフルエンザウイルスへの幅広い防御効果が非臨床研究で確認されている。住友ファーマおよびNIBNは、共同研究の成果である同剤について、季節性インフルエンザウイルスだけではなく、パンデミックに発展する可能性のある新型インフルエンザウイルスにも効果を示す画期的な次世代ワクチンとしての実用化を目指している。

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