ベーリンガーインゲルハイムは18日、経口ホスホジエステラーゼ(PDE)4B 阻害剤「ジャスケイド」(一般名:ネランドミラスト)について、特発性肺線維症(IPF)および進行性肺線維症(PPF)の治療薬として厚労省より製造販売承認を取得したと発表した。
ジャスケイドはIPFおよびPPFの適応として承認された初めての抗線維化作用及び免疫調整作用を持つ、PDE4Bに対する選択性の高い阻害剤である。今回の承認により、日本はネランドミラストが承認された世界で4番目の国となり、進行性かつ生命を脅かす肺線維症と共に生きる患者にとって重要かつ新たな治療選択肢が選べるようになった。
今回の承認は、IPF およびPPFを対象に行ったこれまでで最大規模のP3試験であるFIBRONEERTM -IPF試験およびFIBRONEERTM-ILD試験の結果に基づくもの。
両試験において、52週時の努力肺活量(FVC:呼吸機能を測定する指標)のベースラインからの絶対変化量(mL)の低下をプラセボと比較して有意に抑制し、主要評価項目を達成した。いずれの試験においても重要な副次評価項目は達成されなかったが、両試験の併合解析では、既存治療薬を併用せずにネランドミラスト18mg の投与を受けた患者において、プラセボと比較して59%の死亡リスクの低下が名目上有意な差(5%有意水準では有意)で示された。
日本には1万数1000人~3万人程度のIPF患者がいると推定されている。現在PPF患者についての全国推計はない。抗線維化薬は存在するが、IPF 患者では胃腸や肝臓への副作用の懸念から、特に高齢者を中心に患者の約3分の1が投薬を受けていない。
治療を開始した患者でも、多くが早期に服用を中止してしまうため、病状の進行リスクにさらされている。
◆吾妻安良太所沢美原総合病院呼吸器内科部長/日本医科大学名誉教授のコメント
IPF とPPF は希少難病で治療選択肢は限られており、特にIPF では10 年以上P3試験の成功例がなかった。
ジャスケイドが承認されたことは、これらの疾患における治療パラダイムを変える可能性を有する成果といえる。ジャスケイドは新しい作用機序を持ち、肺の炎症と線維化を抑制し、FIBRONEERTM-IPF 試験およびFIBRONEERTM -ILD 試験おいて、呼吸機能の低下抑制を示した。
また、両試験の併合解析の結果からは死亡リスクの有意な低下が示され、ジャスケイドが新たな治療選択肢として加わったことは、患者さんにとって大きな希望になると考える。
◆シャシャンク・デシュパンデベーリンガーインゲルハイム医療用医薬品事業ユニット担当取締役兼取締役会会長のコメント
本日、日本においてジャスケイドが承認されたことは、IPF およびPPF とともに生きる人々にとって大きな一歩であり、特にIPF においては10 年以上ぶりとなる新たな治療選択肢の登場を意味する。
今回の承認により、臨床試験で確認された有効性と忍容性のデータとともに、治療の継続を支える新たな経口治療薬を日本の医師へ提供することが可能になる。これにより、より多くの患者さんが治療を継続でき、将来により大きな希望を持って向き合えるようになることを期待している。

