sparsentan 日本人IgA腎症P3試験で好結果 レナリスファーマ

 レナリスファーマは26日、1化合物でエンドセリン受容体とアンジオテンシンII受容体にて拮抗作用を有する経口投与製剤「sparsentan」(開発コード:RE-021)について、日本人IgA腎症患者を対象としたP3試験における主要評価項目で良好な解析結果得たと発表した。
 同試験結果に基づき、日本における製造販売承認申請を2026年に実施する予定である。
 同試験の主要評価項目である、IgA腎症患者(N=35)に、sparsentanを36週間経口投与した時点の、24時間蓄尿に基づく尿中蛋白/クレアチニン比のベースラインからの変化率の最小二乗幾何平均値(95%信頼区間)は、-58.54(-68.75, -45.00)%で、同剤の日本人IgA腎症患者における有効性が確認された。
 また、安全性プロファイルについては既知のプロファイルと一致しており、日本人特有の新たな安全性リスクは認められなかった。

◆BTスリングスビーレナリスファーマ代表取締役会長CEO兼共同創業者のコメント
 日本においてIgA腎症の治療選択肢は限られ、高いアンメット・メディカル・ニーズが存在する。sparsentanは既に欧米で承認されており、ドラッグ・ラグの観点からも本剤を必要とする日本人患者さんに一日でも早く届けることが重要であると考えている。

◆島崎竜太郎レナリスファーマ最高開発責任者のコメント
 日本のP3試験は、PMDAと慎重な議論を重ね、海外の大規模臨床試験成績を利用するための小規模なブリッジング試験として実施することができた。本治験には成人及び10歳以上の小児の患者さんが参加しているが、いずれに対しても海外臨床試験と同様に良好な蛋白尿低下効果を認めた。

◆柏原直樹日本腎臓病協会理事長のコメント
 IgA腎症をはじめとする希少腎疾患に対しては、長らく有効な治療法の開発が進んでいなかった。この領域においても創薬が加速されていることを大変嬉しく思う。中でもsparsentanは、高い蛋白尿低下効果と安全性を兼ね備えることが海外の大規模試験とこの日本人を対象とした治験結果により確認された。
 また、sparsentanはFSGSやアルポート症候群などの希少腎疾患だけでなくCKD全般の治療薬としても期待できることが他にはないこの薬剤の大きな魅力である。
 この日本人IgA腎症患者を対象としたsparsentanの治験結果に先立ち、日本腎臓学会は学会の大規模な患者データベースを利用して、日本人IgA患者の蛋白尿と腎予後の関係を明らかにした。今後も関係学会と連携し、国際的な取り組みへの参加も視野に、様々な腎疾患治療薬の評価に有用なエンドポイントの検討を進めていく。

タイトルとURLをコピーしました