スキリージ クローン病におけるウステキヌマブとの直接比較試験で好結果 アッヴィ

 アッヴィは10日、スキリージについて、クローン病を対象としたウステキヌマブとの直接比較試験において、すべての主要評価項目および副次評価項目を達成したと発表した。スキリージは、ウステキヌマブと比較し、主要評価項目である24週時の臨床的寛解(クローン病活動指数[CDAI]に基づく)においての非劣性および48週時の内視鏡的寛解においての優越性の両方を達成した。すべての副次評価項目についても、ウステキヌマブに対する優越性が統計学的に検証された。
 これらの結果は、1種類以上の抗TNF-α抗体製剤による治療が不成功であった中等症から重症の活動性クローン病患者を対象に、リサンキズマブ[0週、4週および8週時に寛解導入として600 mgを静脈内(IV)投与後、12週時とその後8週間ごとに360 mgを皮下(SC)投与]をウステキヌマブ(ステラーラ(R)、0週時にIV投与時の用量で投与し、その後8週間ごとに90 mgをSC投与)と比較し評価する48週間のP3相SEQUENCE試験のトップラインによるもの。SEQUENCE試験の詳細な結果は、今後、学会での公表や査読誌への投稿を行う予定だ。
 第1の主要評価項目である24週時の臨床的寛解(クローン病活動指数[CDAI]に基づき判定、CDAIスコアが150未満と定義)についての結果から、スキリージのウステキヌマブに対する非劣性が示された(非劣性マージン10%)。寛解率は、スキリージ群の59%に対し、ウステキヌマブ群では40%であった。
 第2の主要評価項目である48週時の内視鏡的寛解[簡易版クローン病内視鏡スコア(SES-CD)が4以下かつベースラインから2点以上減少しており、個々のサブスコアに1を超えるものがない場合]についての結果から、スキリージのウステキヌマブに対する優越性が示された。
 寛解率は、スキリージ群の32%に対し、ウステキヌマブ群では16%であった(p<0.0001)。
 SEQUENCE試験におけるスキリージの安全性プロファイルは、これまでに確認されている安全性プロファイルと一致しており、新たな安全性のリスクは認められなかった。
 最も多く認められた有害事象は、スキリージ群ではCOVID-19(新型コロナウイルス感染症)、頭痛およびクローン病であり、ウステキヌマブ群ではCOVID-19、クローン病および関節痛であった。
 スキリージは、ベーリンガーインゲルハイムとアッヴィの業務提携の一環で、アッヴィが世界的に開発と販売を主導している。

◆Roopal Thakkarアッヴィsenior vice president, development and regulatory affairs兼chief medical officerのコメント
 患者さんが臨床的寛解と内視鏡的寛解の両方を達成するために、スキリージが寄与できることを示す今回の結果について、大変心強く思う。この直接比較試験から得られたデータによって、クローン病の患者にとってリサンキズマブが有効な治療選択肢となりうることが裏付けられた。

◆Laurent Peyrin-Birouletインフィニティ研究所代表、ナンシー大学病院消化器内科教授兼炎症性腸疾患グループ長(M.D., Ph.D.)のコメント
 SEQUENCE試験のような直接比較試験は、臨床診療の場で医師がそれぞれの治療法の違いを理解し、治療アルゴリズムを決定する際の参考となる重要なものである。
 今回の結果によって、これまでに蓄積されたスキリージのクローン病に対するエビデンスに、さらに新たなエビデンスが加わった。今回の試験は、対象患者さんの臨床的・内視鏡的治療目標の達成促進における、ウステキヌマブと比較した場合のスキリージの効果を示しただけでなく、これまでの試験で確認された安全性プロファイルを裏付ける結果となっている。

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