エーザイは14日、早期アルツハイマー病治療剤「レケンビ」について、英国において医薬品医療製品規制庁(MHRA)より、4週に1回投与の静注(IV)維持投与が承認されたと発表した。
同剤は、英国において、2024年8月、「ApoEεステータスがヘテロ接合体または非保有である成人におけるアルツハイマー病(AD)による軽度認知障害(MCI)または軽度認知症(総称して早期AD)の治療」を適応に承認取得している。今回の承認により、18カ月間の10mg/kgの隔週投与による初期治療後、10mg/kgの4週に1回の維持投与レジメンに移行することができる。
ADは、アミロイド β 凝集体からなるアミロイドプラーク(老人斑)およびタウ蛋白の脳内 の沈着物から形成される神経原線維変化を病理上の特徴とし、プラーク沈着前に始まり、プラーク除去後も継続する進行性の神経変性プロセスを有する疾患である。神経変性にはアミロイド β プロトフィブリルとタウの関与があるとされ、「レケンビ」は、プロトフィブリルとプラークの双方をターゲットとする唯一のAD治療剤であり、その後のタウ蓄積にも影響を与えることが期待される。
AD治療は中止すると、バイオマーカーの再上昇が生じ、臨床上の疾患進行の速度がプラセボ群と同等になると報告されている。そのため18カ月の初期治療後も維持治療を継続することは、ADの進行を遅らせ治療効果を延長させるために重要で、当事者が自分らしい生活をより長く続けることに貢献することが期待されている。
英国における認知症の当事者数は98.2万人と推定されており、そのうち約6~7割は、ADであると見積もられている。AD当事者数は、今後高齢化の進展と共に増加していくと考えられている。
レカネマブは、エーザイが開発および薬事申請をグローバルに主導し、エーザイの最終意思決定権のもとで、エーザイとバイオジェンが共同商業化・共同販促を行っている。

