epcoritamab 再発又は難治性濾胞性リンパ腫のP1/2試験で好結果 アッヴィとジェンマブ社

 アッヴィとジェンマブ社は13日、開発中の皮下投与のT細胞誘導二重特異性抗体「epcoritamab」について、P1/2試験相EPCORETM NHL-1臨床試験の濾胞性リンパ腫(FL)コホートから得られたトップライン結果において、全奏効率(ORR)は82%と治験実施計画書で事前に規定した有効性の閾値を上回ったと発表した。観察された奏効期間(DOR)中央値には到達しておらず、追跡調査の延長が必要となる。
 同試験コホートには、2回以上の全身療法を受けた再発又は難治性(R/R)の成人FL患者128名が登録され、このうち70.3%は抗CD20モノクローナル抗体およびアルキル化剤の二種類の治療に不応な患者であった。
 epcoritamabは、アッヴィとジェンマブ社のがん領域における提携関係の下、両社で共同開発中の薬剤である。EPCORETM NHL-1臨床試験は、epcoritamabの安全性および予備的な有効性を評価する非盲検試験であり、P1相ヒト初回投与用量漸増パート、第2a相拡大パートおよび第2a相最適化パートの3つのパートから構成されている。
 FLコホートから得られたトップライン結果では、独立審査委員会(IRC)判定による全奏効率(ORR)は82%と、治験実施計画書で事前に規定した有効性の閾値を上回り、観察された奏効期間(DOR)中央値については到達しておらず、追跡調査の延長が必要となる。同コホートにおける前治療回数の中央値は3回(範囲:2~9回)であっった
 今回の解析時点では、同試験においてepcoritamabの新たな安全性シグナルは認められなかった。治験薬投与下で発現した有害事象のうち最も多く認められたのは、サイトカイン放出症候群(CRS)(66.4%、グレード3以上の事象は1.6%)であった。同試験の最適化パートは引き続き、CRSのリスクを低減させることを目的とした代替的ステップアップ投与レジメンの評価を行っており、有望な予備的データが得られている。
 同試験から得られたすべての結果は、今後開催される医学学会に提出し、発表する予定である

◆Mariana Cota Stirnerアッヴィの血液がん領域責任者、vice president(M.D., Ph.D.)のコメント
 今回のトップライン結果は、再発又は難治性の濾胞性リンパ腫患者さんに対する潜在的な治療選択肢としてのepcoritamabの臨床プロファイルをより強く裏付けるもので、このような結果が得られたことに勇気づけられる思いである。これは、パートナー企業であるジェンマブ社と共に、B細胞性悪性腫瘍患者さんに対する、中核となりうる治療法の開発を目指すという、私たちの目標に一歩近づく結果となるだろう。

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