タービーとテクベイリの併用療法 日本で再発・難治性多発性骨髄腫対象に承認申請 J&J

 J&Jは10月31日、Gタンパク質共役型受容体ファミリーCグループ5メンバーD (GPRC5D)とCD3を標的とする二重特異性抗体「タービー」(一般名:トアルクエタマブ、遺伝子組換え)とB細胞成熟抗原(BCMA)とCD3を標的とする二重特異性抗体である「テクベイリ」(一般名:テクリスタマブ、遺伝子組換え)との併用療法について、再発・難治性多発性骨髄腫を対象とした承認申請を行ったと発表した。
 対象は、髄外性形質細胞腫(EMD)を有する再発又は難治性の多発性骨髄腫。
 今回の申請は、EMDを有し、免疫調節薬、プロテアソーム阻害剤及び抗CD38 モノクローナル抗体製剤の治療歴を有する(Triple class exposed:TCE)再発または難治性の多発性骨髄腫患者を対象にタービーとテクベイリとの併用療法の有効性及び安全性を評価したRedirecTT-1試験P2相(NCT04586426)に基づくもの。
 EMD は多発性骨髄腫において悪性度の高い病型であり、骨髄腫細胞が軟部組織や臓器などの骨髄外の他の場所へと広がって腫瘍 (形質細胞腫)を形成する疾患である。EMD を有する患者の治療選択肢は限られる場合が多く、予後は不良となる傾向にあるため、現在の標準治療では全奏効率(ORR)が低く、早期に再発するのが現状だ。EMDを有し、TCEの再発又は難治性の多発性骨髄腫患者のORRは平均40%未満で、無増悪生存期間(PFS)の中央値は6カ月未満に留まっている。

◆Yusri Elsayed J&J Innovative Medicine Oncology Therapeutic Area Head(M.D., M.H.Sc., Ph.D.)のコメント
 私たちはこれまで日本において、20年近く、幅広いポートフォリオを世に送り出し、多くの多発性骨髄腫患者さんに貢献してきた。だが、髄外性形質細胞腫を有する多発性骨髄腫は、未だに十分な治療選択肢がなく、予後不良であり、アンメットニーズの非常に高い疾患である。
 私たちは二重特異性抗体であるタービーとテクベイリとの併用療法という新たな治療法の開発を通じ、この喫緊の課題に取り組んできた。新たな治療法を待っていらっしゃる患者さんに1日も早くお届けできるよう、引き続き当局と緊密に連携していく。

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