ノボ ノルディスク ファーマは28日、青森県弘前市 (市長:櫻田宏氏)と同市における「肥満症対策を通じた健康寿命延伸に向けた取組に関する連携協定を締結したと発表した。
同協定は、ノボ ノルディスク ファーマおよび弘前市が連携・協力を行うことを通じて、弘前市における肥満症対策の構築および市民の健康寿命延伸を図り、弘前市で肥満症を取り巻く環境の先進モデルの構築及び好事例の全国的な拡大を目的としたもの。
同協定では、20・30代健診受診者のうち、肥満症のリスクが高い対象者に対し、保健指導などを通じて医療機関への受診を促すとともに、市民に対する肥満症の疾患啓発を行うことで、疾患に対する正しい知識の普及に取り組む。
弘前市における肥満症の有病率は明らかではないが、一つの参考値として、弘前市におけるメタボリックシンドローム該当者の割合は増加傾向にある。
第3期弘前市国民健康保険保健事業実施計画によれば、男女ともにメタボリックシンドローム該当者の割合は同規模の自治体、青森県、国と比べて高い結果となっており、弘前市では個別保健事業として、肥満・メタボリックシンドローム重症化予防の取り組みを実施している。
メタボリックシンドロームと肥満症は異なるが、こうした背景により、肥満症に関する正しい知識の普及啓発や該当する人々の早期発見が課題となっている。また、弘前市では、市の健康増進計画である「第3次健康ひろさき21」で、若い世代への生活習慣病発症・重症化予防に向けた取り組みの推進を明記し、特定健診対象者以前の若い世代に、自らの健康状態に関心を持つことができる機会として20・30代健診を実施している。
肥満症に関しても、若い世代から早期介入することの重要性を認識しており、同連携協定の対象者が20・30代の若年層となった。
ノボ ノルディスクは、糖尿病で培った知識や経験を基に、変革を推進し深刻な慢性疾患を克服するというパーパスのもと、深刻な慢性疾患である肥満症のアンメットメディカルニーズに応え、その治療と根治を目指して取り組んでいる。
同社は、これまでに千葉市 (千葉県)、春日井市 (愛知県)、旭川市 (北海道) においても肥満や肥満症対策に関する連携協定を締結しており、自治体との連携による肥満・肥満症対策について、専門的な知識を有している。
現在、日本では約1600万人の人が肥満症を抱えている一方、医師により肥満症と診断されている人は、そのうちわずか2.4% (約38万人) にとどまり、多くの人が適切な治療を受けていない可能性がある。
肥満症は、健康寿命に影響を及ぼす早期に治療すべき深刻な慢性疾患だ。また、肥満症をはじめとする慢性疾患は、個人の課題にとどまらず、社会全体で解決すべき健康課題であり、地域と医療、企業が一体となって 取り組む必要がある。
自治体を起点とした同連携協定を通して、肥満症高リスク者が適切な検査・治療を受けるためのシステムを構築し、弘前市における肥満症を取り巻く環境整備を全面的に支援し、好事例の発信および全国への普及を目指す。
また、他地域における先行事例とともにエビデンスを構築し、肥満症対策の重要性についての機運を高めていく。