アイ・ピースは7日、経済産業省の「令和6年度補正 再生・細胞医療・遺伝子治療製造設備支援事業費補助金」に採択されたと発表した。
同公募事業は、再生・細胞医療・遺伝子治療製品を円滑に製造できる能力を国内に確保するため、 CDMO(受託開発・製造事業者)の国内受託製造拠点の整備や製造人材育成を支援するもの。
支援対象となるアイ・ピース事業は、①レベルの高いバイオテクノロジーとGMP基準に準拠する高い品質のiPS細胞とiPS由来分化細胞の製造能力(の増強)、②高度なエンジニアリング技術を用いたiPS細胞とiPS由来分化細胞の作製工程の自動化、③自動化技術による多ドナー同時量産による自家移植医療の実現ーで、これら事業を対象にアイ・ピースに対し補助金が支給される。
アイ・ピースは、2015年の創業時から一人ひとりが細胞を持ち、その細胞で病気を治し健康を保てる未来を目指し、特定細胞加工物製造許可を取得、細胞作成自動化技術に磨きをかけてきた。
また、全世界をマーケットとする細胞産業を日本国内に創生したいという強い思いから、欧米の医療用基準に準拠した製造工程と品質管理体制を構築し、世界各国の製薬・医療開発企業に対し医療用のiPS細胞やその分化細胞を提供し高い評価を受けている。細胞移植医療の発展を後押しすべく、個人顧客向けのiPS細胞作成・保管事業も行っている。
今回の補助金は、細胞が薬となる時代に必要となる未来型の細胞製造施設を作ることに活用される。現在、細胞移植医療は他家細胞を使うものと自家細胞を使うものがあり、アイ・ピースでは他家・自家の両方に対応している。
今回の補助金を活用して構築する未来型の製造施設では、自社で開発した自動化システムのさらなる高度化を図り、自家細胞製品を標準的医療に適用するために必要となる同時多ドナー並行生産ができるようにする。
加えて、これまでは主にiPS細胞製造にフォーカスしており、NK細胞その他のiPS細胞由来細胞の製造は研究開発段階にとどまっていたが、治療に使える製品の作成に一日も早く取り掛かれるよう、早急にケーパビリティを拡張する。
規制面でも、この未来型施設を既存の設備同様にグローバル規制対応とすることで、日本で作られた細胞製品が世界に出荷され使用される日本がiPS由来細胞の供給拠点として世界をリードする時代の実現を目指す。これにより細胞製造産業という日本にとって新しく、世界に通用する産業の立ち上げにも貢献していく。
アイ・ピースは他家・自家細胞製品双方に対応したグローバルなCDMOを目指し、同補助金による支援を最大限活用する。
