小野薬品は24日、小野薬品の抗PD-1抗体「オプジーボ」とブリストル・マイヤーズ スクイブ(BMS)の抗CTLA-4抗体「ヤーボイ」の併用療法について、日本国内で「切除不能な肝細胞がん」に対する適応追加承認を取得したと発表した。
今回の承認は、抗がん剤の全身療法による治療歴のない切除不能な肝細胞がん患者を対象に、オプジーボとヤーボイの併用療法を治験担当医師が選択したレンバチニブまたはソラフェニブの単剤療法と比較評価した国際共同P3試験であるCheckMate-9DW試験(CA209-9DW:ONO-4538-92)の結果に基づくもの。
同試験において、オプジーボとヤーボイの併用療法は、レンバチニブまたはソラフェニブの単剤療法(85%がレンバチニブ、15%がソラフェニブの投与を受けた)と比較して、主要評価項目である全生存期間(OS)で統計学的に有意かつ臨床的に意義のある改善を示し、主要評価項目を達成した。
オプジーボとヤーボイの併用群(n=335)のOS中央値は23.7カ月(95% CI: 18.8-29.4)であったのに対し、レンバチニブまたはソラフェニブの単剤療法群(n=333; HR=0.79; 95% CI: 0.65-0.96 P=0.018)のOS中央値は20.6カ月(95% CI: 17.5-22.5)で、オプジーボとヤーボイの併用群では死亡リスクが21%低下することが示された。
同試験におけるオプジーボとヤーボイの併用療法の安全性プロファイルは、同併用療法でこれまでに報告されているものと一貫しており、新たな安全性シグナルは認められなかった。
肝がんは、世界のがんによる死因で3番目に多いがんである。2022年に肝がんの新規罹患者数は約86.6万人と推定され、約75.8万人が亡くなったと推定されている。
日本では、2022年に年間新規罹患者数が約4万1000人と推定され、年間約2万6000万人が亡くなったと推定されている。肝細胞がん(HCC)は、原発性肝がんの最も一般的な型で肝がん全体の90%を占める。
HCCは、B型肝炎ウイルス(HBV)またはC型肝炎ウイルス(HCV)感染などに起因するウイルス性肝疾患から発生する症例が多かったものの、近年は非ウイルス性肝疾患を起因とする症例が増加傾向にある。
HCCは非ウイルス性肝がんの増加に伴い、進行期に診断されることが増えており、進行期では効果的な治療選択肢が限られ多くは予後が不良である。
患者の約70%が5年以内に再発を経験し、特に切除またはアブレーション後でも再発リスクは依然として高いと考えられている。