日本を医薬品供給のリージョナルハブと位置付け山形工場に484億円投資 ベーリンガーインゲルハイム

竣工した山形工場敷地内の新製造棟

 日本ベーリンガーインゲルハイムは20日、ベーリンガーインゲルハイムのドイツ本社が日本の生産拠点の山形工場に、2028年までに総額3億ユーロ(約484億円)の投資を行うと発表した。
 山形工場は2023年よりアジア・オセアニア地域への医薬品バルクの輸出を開始し、ベーリンガーインゲルハイムにおける戦略的製造拠点の役割を果たしている。
 今回、ベーリンガーインゲルハイムが2023年より約100億円の投資を行い、山形工場敷地内に建設していた新製剤棟が完成。同日、東根市長をはじめとする地元関係者や、ベーリンガーインゲルハイム ドイツ本社取締役らが出席し、新製造棟の竣工式典および新たに増築する製造棟の安全祈願祭を開催した。
 また、竣工した新製剤棟に隣接する新たな製剤棟増築を決定し、2026年3月着工、2028年6月頃の稼働開始を目指し建設を進めていく。
 今回び竣工した新製造棟建設や新たな製剤棟増築など、2023年から2028年頃までに予定される山形工場の製造機能強化のための一連の設備新設やアップグレードへの総投資金額は、約484億円にのぼる見込みである。

◆シャシャンク・デシュパンデ ベーリンガーインゲルハイムドイツ本社医療用医薬品事業ユニット担当取締役(本年7月1日に取締役会会長に就任予定)のコメント
 日本は、当社において研究開発や医薬品の製造・供給など、さまざまな面で戦略的に重要な市場である。当社は現在、新製品の上市を控える重要なフェーズにある。
 こうした中、山形工場の機能強化は、アジア・オセアニア地域における当社のプレゼンスをさらに強化し、山形工場における雇用創出や優れた人材の育成にもつながると考えている。山形工場では、心腎代謝疾患の治療薬であるジャディアンス錠など革新的な医薬品を製造し、アジア・オセアニア地域の患者さんに貢献していく。
 グローバル全体で慢性疾患に対する有効な治療薬への需要が高まる中、当社は山形工場を優先的なリージョナルハブと位置づけ、継続的に投資を行う。

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