武田薬品は2日、完全ヒト免疫グロブリンIgG1モノクローナル抗体「mezagitamab」について、慢性特発性血小板減少性紫斑病(ITP)を効能・効果として厚労大臣より希少疾病用医薬品の指定を取得したと発表した。
ITPは、IgGが介在する希少な自己免疫疾患で、出血防止や止血を担う血液細胞である血小板(および/または巨核球)に対する自己抗体によって引き起こされる疾患である。
血小板の加速的な破壊(血小板産生障害の有無にかかわらず)を特徴とし、その結果、血小板数が減少し、出血のリスクが高まり、衰弱(疲労やQOL低下など)を来たし、重症患者では生命が脅かされる場合もある。診断後12カ月以上血小板減少が持続、あるいは無治療で寛解を維持できない症例を慢性ITPと呼ぶ。
mezagitamabは完全ヒト免疫グロブリンIgG1モノクローナル抗体(mAb)で、CD38発現細胞(形質芽細胞、形質細胞、ナチュラルキラー細胞を含む)に高い親和性を有し、これらの細胞を減少させる。
mezagitamabによる治療は、血小板数の迅速かつ持続的な改善をもたらすようデザインされており、血小板数を正常な機能が得られるレベルまで回復させることが期待される。 mezagitamabはこれまでに、米国FDAからITPの治療薬として希少疾病用医薬品(オーファンドラッグ)指定、慢性/持続性ITPの治療薬としてファストトラック指定を受けている。現在、国際共同P3試験が進行中で、どの医薬品規制当局からも使用が承認されていない治験薬である。