業務の効率性や費用対効果を強く意識しながら自分たちの役割全うを 住友ファーマ入社式で木村社長

 住友ファーマは1日、2025年度入社式を開催し、木村徹社長が訓示を述べた。訓示要旨は、次の通り。
 本日はご入社、誠におめでとう。当社は今年、大日本製薬と住友製薬の2社が合併して20周年という節目の年を迎える。記念すべき本日、R&D本部、サプライチェーン本部、そしてRACTHERAに合わせて10名の優れた人材を迎えられたことは我々にとって大きな喜びである。
 当社は 2005 年の合併以来、「人々の健康で豊かな生活のために、研究開発を基盤とした新たな価値の創造により、広く社会に貢献する」という理念のもと、新薬の研究開発に全力を注ぎ、患者さんや医療関係者のニーズに応える医薬品を提供してきた。
 この20 年の歩みの中で、私たちは多くの成功と同時に、困難にも直面した。当社は合併以降、非定型抗精神病薬「ラツーダ」の成功により大きく成長するとともに、グローバル企業へと大きく変革を遂げてきた。一方で、ポストラツーダ戦略が功を奏さず経営環境が悪化し、2023年度決算では連結最終損益で3000 億円の赤字を計上し、創業以来最大の経営危機を迎えた。だが、大規模な組織改革を断行し、全社を挙げてコスト削減と収益改善に取り組んだ結果、予想を上回る速度で業績の回復を果たし、2024年度のコア営業利益・最終利益ともに、黒字化の見通しを立てるに至った。
 まさに皆さんは、当社が再成長への歩みを始める年に入社された事になる。当社は従来「真面目で信用できる会社」という事を大切にしてきており、これが社風となっているが、激動する市場環境のもと、従来の価値観のみで持続的成長を遂げ、生き残っていくことは困難である。
 今、我々には「力強い会社」への変革が求められている。そのためには、皆さん一人一人が自らの責任範囲にとらわれることなく、主体的に業務に取り組み、前例にとらわれることなく、新たな業務の進め方を考えていただくことが必要である。
 業務の効率性や費用対効果を強く意識しながら、自分たちの役割を全うしていってほしいと考えている。また、こういった新しい働き方を後押しすべく、昨年末から「V2X(Voice to Transformation)」という会社変革プロジェクトを立ち上げ、従業員一人一人が業務のやり方を変革し、自由闊達な議論を通じて「当たり前」を変えていく活動を推進している。
 皆さんの挑戦と成長が、当社の未来を形作る力となります。これから一緒に頑張っていこう。改めて、入社おめでとう。

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