悪性リンパ腫治療剤「アドセトリス」 小児ホジキンリンパ腫一次治療の適応追加承認取得 武田薬品

 武田薬品は26日、悪性リンパ腫治療剤「アドセトリス」について日本において、「CD30陽性ホジキンリンパ腫」における小児の一次治療の効能追加承認を取得したと発表した。
 今回の承認は、未治療の進行期古典的ホジキンリンパ腫の小児患者さんを対象とし、アドセトリスとAVD(ドキソルビシン+ビンブラスチン+ダカルバジン)の併用療法における一次治療としての有効性および安全性を評価した国際共同P1/2相試験(C25004試験)の結果に基づくもの。
 アドセトリスは、世界70ヵ国以上で承認されており、日本では厚生労働省より、2012年3月に「CD30陽性のホジキンリンパ腫および未分化大細胞リンパ腫」を対象として希少疾病用医薬品に指定。2014年4月に、成人患者における再発又は難治性のCD30陽性のホジキンリンパ腫及び未分化大細胞リンパ腫の治療剤として発売された。
 その後、2018年9月に、成人患者さんにおける未治療のCD30陽性のホジキンリンパ腫の治療剤として承認を取得した。2019年3月には、厚生労働省より「CD30陽性の末梢性T細胞リンパ腫」を対象として希少疾病用医薬品に指定され、同年12月に未治療及び再発又は難治性の成人患者さんにおけるCD30陽性の末梢性T細胞リンパ腫の治療剤として承認を取得した。
 小児においては、2019年12月に再発または難治性のCD30陽性のホジキンリンパ腫および末梢性T細胞リンパ腫に対する治療剤として承認を取得し、2021年9月には、CD30陽性ホジキンリンパ腫における小児の一次治療(ファーストライン)に対する用法用量に関する製造販売承認事項一部変更承認の申請を行っている。

◆国際共同臨床P1/2相試験(C25004試験)の治験参加施設責任医師 小林良二氏(北楡会 札幌北楡病院 小児思春期科)のコメント
 ホジキンリンパ腫は、悪性リンパ腫の一種で、小児におけるホジキンリンパ腫は悪性リンパ腫のなかでも発生頻度が低い疾患である。アドセトリスとAVDの併用療法は成人における標準的な一次治療の一つで、小児においても有用な治療選択肢として待ち望まれていた。
 今回、C25004試験において、小児における推奨用量、有効性と安全性が示されたことは喜ばしいことである。

◆堀井貴史武田薬品日本オンコロジー事業部長のコメント
 アドセトリスは、日本において2014年に発売して以来、適応追加を重ね、多くの悪性リンパ腫患者さんの治療に貢献している。このたび、国内の未治療のCD30陽性の小児ホジキンリンパ腫患者さんに、アドセトリスを新たな治療選択肢として提供できることを嬉しく思う。
 当社は、この治療法を必要とする患者さんにいち早く、そして確実にお届けできるよう引き続き努めてまいりたい。

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