小児近視進行抑制治療剤「Ryjunea」 欧州で医薬品委員会から承認勧告受領 参天製薬

参天製薬は31日、小児の近視進行抑制治療剤「Ryjunea」について、欧州医薬品庁(EMA)の医薬品委員会(CHMP)から承認勧告を受領したと発表した。
 同剤は、小児の近視の進行抑制を目的とする特許取得済みの低用量アトロピン点眼液(0.1mg/mL)で、ヨーロッパ、ミドルイースト&アフリカ事業地域においてSydnexis社から参天製薬のスイス現地法人であるSanten SAにライセンス供与されていおり、2024年3月、EMAに販売承認申請を行っている。
 CHMPの勧告は、主にSTAR試験のデータに裏付けられている。この試験で同剤は、投与24カ月後の小児の近視の進行抑制において有効性を示し、主要評価項目を達成した。試験対象の患者群における近視の年間進行率の抑制に関して、Ryjuneaとプラセボの差は統計的に有意な結果となった。
 主要評価項目は、個人の屈折異常を簡潔に示す等価球面度数の変化率を用いた投与24カ月後の近視の年間平均進行率で評価された。同試験の結果により、試験組み入れ患者集団において、Ryjuneaは良好な安全性および忍容性プロファイルを示した。
 同試験は、試験開始時に3~14歳の近視の男女小児患者852人を無作為化して実施。48カ月間の試験としてデザインされており、2025年夏に完了する見込みである。

◆ピーター・サルスティグ参天製薬チーフ メディカル オフィサーのコメント Ryjuneaは、EMEA地域の近視患者さんのニーズを満たす、革新的な治療選択肢を提供するという我々のコミットメントを体現している。
 CHMPの承認勧告は、本剤を近視患者さんに届けるための取り組みの重要なマイルストーンであり、近視の進行抑制治療による小児の近視患者さんへの早期介入を後押しする。

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