アキュリスファーマは9日、開発中のヒスタミンH3受容体拮抗薬/逆作動薬「pitolisant」について、閉塞性睡眠時無呼吸症候群P3試験で主要評価項目である日中の過度な眠気の改善効果を達成したと発表した。同試験の対象患者は、持続陽圧呼吸(CPAP)療法による治療を受けているものの、閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)に伴う日中の過度の眠気が残存する患者。
同試験において、OSAS患者にpitolisantを12 週間経口投与したときの日中の過度な眠気の改善効果をエプワース眠気尺度(ESS)を主要評価項目としてプラセボ群と比較した結果、統計的有意差(p=0.007)をもって同剤の有効性が示された。
また、安全性および忍容性についても海外の臨床試験と同等の結果が見られ、重篤な副作用は認められなかった。
アキュリスファーマでは、同試験から得られたこれらのデータに基づき、閉塞性睡眠時無呼吸症候群を抱える患者がより安心して、自分らしく生活できる社会を実現するため、同剤を日本の患者さんへ早く提供することを目指し、pitolisantの製造販売承認申請を進めていく。
◆谷垣任優アキュリスファーマ代表取締役社長のコメント
OSAS に伴う日中の過度な眠気は、QOLや労働生産性の低下、また、交通事故等の事故のリスクに繋がることが報告されており、OSAS患者は日常生活で深刻な影響を受けている。
我が国における OSAS 患者の残存する眠気に対する治療選択肢は約15年間にわたり新たな薬剤の登場がなく、新たな治療選択肢が求められていた。本剤を必要とする患者さんに、一日でも早く届けることを目指していく。