ブリストル・マイヤーズ スクイブ(BMS)は13日、抗悪性腫瘍剤/チロシンキナーゼ阻害剤「オータイロ」について、NTRK 融合遺伝子陽性の固形がんを対象とした適応追加申請を厚労省に行ったと発表した。
今回の申請は、オータイロの NTRK 融合遺伝子陽性の進行性固形がんに対する有効性及び安全性を評価する国際共同P1/2試験(TRIDENT-1試験)並びに海外P1/2試験(CARE 試験)の結果に基づくもの。なお、オータイロの同効能効果については、12月6日の医薬品第二部会で希少疾病用医薬品として指定可と審議されている。
NTRK融合遺伝子は、NTRK融合遺伝子陽性の固形がんにおいて発がんドライバーとして作用すると考えられている。NTRK融合遺伝子の発現頻度は、主要ながんで低いことから、患者数は極めて少ないものとみられる。
一方、NTRK 融合遺伝子陽性の進行・再発固形癌に対する治療にはいくつかの治療法があるものの、既存の薬剤への耐性変異の発現や脳転移を有する患者に対する治療などの高いアンメットニーズが存在する。
オータイロは、 ROS1遺伝子によりコードされる受容体型チロシンキナーゼ(ROS1)、トロポミオシン受容体キナーゼ(TRK)ファミリーの強力な低分子阻害剤で、ゲートキーパー変異や solvent front 変異などの臨床的耐性変異も阻害する。
米国では ROS1 融合遺伝子陽性非小細胞肺がん及びNTRK 融合遺伝子陽性固形がんを適応症として、それぞれ2023年11月15日及び2024年6月13日に製造販売承認を取得している。
また、国内においては、「ROS1 融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん」を適応症として、本年9月24日に製造販売承認を取得している。