第一三共は9日、ダトポタマブ デルクステカン(Dato-DXd/DS-1062、抗TROP2抗体薬物複合体[ADC])について、非小細胞肺がんにおいて米国FDAより画期的治療薬(Breakthrough Therapy)指定を受けたと発表した。対象は、EGFRチロシンキナーゼ阻害剤とプラチナ製剤ベースの化学療法との併用療法による治療中または治療後に病勢進行したEGFR遺伝子変異を有する局所進行または転移性の非小細胞肺がん。
今回の「画期的治療薬」指定は、Actionable遺伝子変異を有する、前治療歴のある局所進行または転移性の非小細胞肺がん患者を対象としたP2試験(TROPION-Lung05)および非小細胞肺がんの二次/三次治療を対象としたP3試験(TROPION-Lung01)の結果に基づくもの。
EGFR遺伝子変異を有する非小細胞肺がん患者を対象としたTROPION-Lung05およびTROPION-Lung01のプール解析結果は、今月開催の欧州臨床腫瘍学会アジア大会(ESMO Asia 2024)にて発表された。
同剤における「画期的治療薬」指定は今回が初めてで、同社のオンコロジーパイプライン全体では12番目の指定となる。第一三共は、本年11月に、EGFR遺伝子変異を有する、前治療歴(EGFR標的療法を含む)のある局所進行または転移性の非小細胞肺がん患者を対象とした同剤の承認申請を米国において行っている。
同社では、EGFR遺伝子変異を有する非小細胞肺がん患者に同剤を一日も早く提供できるよう、引き続きFDAとの協議を進めていく。