味噌の造り方による健康効果解明に向け共同研究開始 佐野味噌醤油、東京大学、bacterico

 佐野味噌醤油、東京大学医科学研究所附属ヒトゲノム解析センター、bactericoは3日、長年にわたり日本の食文化として親しまれてきた発酵食品「味噌」が人の健康に与える影響について、全国約30の味噌蔵と協力して共同研究を開始したと発表した。
 同研究は、味噌に含まれる細菌叢(マイクロバイオーム)や代謝物を解析し、造り方や造り手によって異なる細菌の種類が健康に与える影響を、科学的に解明することを目的としたもの。
 味噌は、日本の伝統的な発酵食品のひとつで、長年にわたり健康食品として親しまれている。だが、具体的にどのように健康に影響を与えているのか、そのメカニズムについては十分に解明されていない。
 作り方や作り手によって味噌に含まれるマイクロバイオームが異なり、腸内フローラに与える影響も異なることが推測できるが、効果とその理由についての科学的な検証は不十分であった。
 こうした中、日本の伝統発酵食品である味噌の健康効果を解明するため、同研究グループは、製造方法や原料の異なる30蔵の味噌に含まれるマイクロバイオームと代謝物を詳細に解析する。各味噌に含まれるマイクロバイオームと代謝物の特徴を総合的に解析することで、味噌の健康効果の要因を明らかにする。
 同研究を通じて、味噌の健康効果を科学的に証明することにより、個別最適化した健康づくりへの貢献が期待できる。また、味噌以外の日本の伝統的な発酵食品の健康効果も解析し、その価値を次世代へ継承するとともに、国内外における発酵食文化の普及への寄与をめざす。

◆佐野味噌醤油会社概要

 佐野味噌醤油は、1934年に東京・亀戸にて創業。全国約60社の蔵元との長年の取り引きから、各蔵元が持つ味噌の「発酵菌」の違いによる味わい香りの違い、個性の違いを強く認識してきた。
 今回のプロジェクトでは東京大学医科学研究所及び株式会社bactericoと、各蔵元との連携役をつとめる。昔ながらの造り方にこだわる味噌が減りつつある現状に危機感を持ち、「日本に味噌を取り戻す 世界に広める」をビジョンにかかげている。日本全国で伝統的な醸造方法で造られるこだわり味噌を70種類そろえ全国へ向け販売している。
 味噌は、発酵菌の違いによって個性の異なる「ワイン」などと同じ“嗜好品”であるとの思いから、社内資格「噌ムリエ」を育成し、健康と食のよろこびにこだわりを持つ顧客と、多彩な味噌の個性との出会いを日々つくり続けている。

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