小野薬品は18日、オプジーボとヤーボイの併用療法について、欧州医薬品庁(EMA)の医薬品委員会(CHMP)が大腸がん成人患者のファーストライン治療薬として承認を推奨したと発表した。 提携するブリストル マイヤーズ スクイブ(BNS)が公表したもの。
対象は、高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-H)またはミスマッチ修復機構欠損(dMMR)の切除不能または進行大腸がん(mCRC)成人患者。
CheckMate -8HW 試験の結果では、この患者集団においてオプジーボとヤーボイの併用療法は、化学療法と比較して、病勢進行または死亡のリスクを79%低減したことを示した(HR:0.21;95% CI:0.14 – 0.32;p<0.0001)ことがポイントになっており。
今後、CHMPの推奨は、欧州連合(EU)で医薬品を承認する権限を持つ欧州委員会(EC)によって審査され、最終決定される。
この肯定的な見解は、本年初頭の学会で発表されたCheckMate -8HW試験の結果に基づくもの。これらのデータはBMSの申請資料であり、EMAにより受理された。同試験において、オプジーボとヤーボイの併用療法が、治験担当医師が選択した化学療法と比較して、2つの主要評価項目のうち1つである盲検下独立中央評価委員会(BICR)の評価による無増悪生存期間(PFS)で統計学的に有意かつ臨床的に意義のある改善を示した。
安全性では、今回の結果で示された病勢進行または死亡のリスクに加えて、免疫療法薬2剤による併用療法の安全性プロファイルは、これまでに報告されたデータと一貫しており、確立されたプロトコルによって管理可能であり、新たな安全性シグナルは認められなかった。
2024年10月に、全治療ラインにおいてオプジーボとヤーボイの併用療法が、オプジーボ単剤療法と比較して、2つの主要評価項目のうち1つであるBICRの評価によるPFSで、統計学的に有意かつ臨床的に意義のある改善を示したことが発表された。この試験は、全生存期間(OS)を含むさまざまな副次評価項目を評価するために進行中である。
◆Dana Walker BMSバイスプレジデント兼消化器・泌尿生殖器がん領域グローバルプログラム責任者(M.D.、M.S.C.E.)のコメント
進行大腸がん患者の約5~7%はdMMRまたはMSI-H腫瘍を有しており、現在の治療選択肢では十分な効果が得られない場合がある。今回の療法は、進行大腸がんのファーストライン治療で初めての免疫チェックポイント阻害薬2剤による併用療法であり、この集団のMSI-HまたはdMMRの患者さんにとって画期的なベネフィットをもたらす。
当社は、欧州連合のこれらの患者さんにオプジーボとヤーボイの併用療法を提供することに注力しており、ECの今後の決定を心待ちにしている。