ロート製薬は8日、細胞外小胞(EVs)産生用AOF(Animal Origin Free)培地「StemNavi(ステムナビ)」の発売を10月9日より開始すると発表した。同品は、日本国内で販売実績のある間葉系幹細胞培養用培地「R:STEMTM(アールステム)」に次ぐ商品となる。
細胞外小胞とは、組織の再生を促す成長因子や細胞間の情報伝達物質を含んだエクソソームなどからなる脂質二重膜構造を有する小胞の総称を意味する。細胞から分泌され、細胞間コミュニケーションを促進する。
ロート製薬は、2013年より再生医療の研究に着手し、再生医療の基礎研究、動物・ヒト由来成分を含まない AOF(AnimalOrigin Free)培地による間葉系幹細胞治療の臨床研究を推進し、2017 年には新潟大学と肝硬変を対象としたヒト由来幹細胞製剤の治験を開始した。さらに、 2020 年にはこのAOF培地の技術を研究機関等で広く活用して貰うために「R:STEM」を発売した。
今回発売する「StemNavi」は、本年4月30日に日本再生医療学会より発出されている「細胞外小胞等の臨床応用に関するガイダンス(第1版)」の“動物由来成分を含まない Xeno-Free の培地を使うべきである”との推奨項目に応えするための製品となる。
同社は今後、グローバル市場向けの AOF 培地の開発を進めるとともに、欧州やアジア各国でも「StemNavi」を展開する予定である。
ロートは、再生医療に活きる独自の技術を通じて、再生医療をもっと身近に、もっと利用しやすい世界の実現に貢献していく。StemNaviの製品概要は、次の通り。
(1)製品名:「hMSC expansion AOF w/o Phenol Red」
(2)製品特長:
① 細胞外小胞(EVs)産生用 AOF(Animal Origin Free)培地。
② 血清等の動物由来およびヒト由来原料が使用されていない無血清培地で化学的に定義された(Chemicallydefined)成分で構成されている。
③ 動物由来およびヒト由来原料を使用していないため、ウイルス等の汚染リスクを低減できる。
④ 抗生物質を含んでいない。
⑤ フェノールレッドを含んでいない。
⑥ Ready-to-use 培地なので解凍後すぐに使用が可能。
⑦ 培地中のEVs量が検出限界以下(N.D.=Not Detected)。
⑧ 脂肪由来および臍帯由来 hMSCのEVsおよびHGF等の産生能を促進する。
(3)製品形態:
容量: 500mL
凍結品: 保管温度 -20℃以下
※本製品は研究用であり、診断用・臨床用には使用できない。
(4)価格
6万6000 円(税込)
(5)ブランドサイトhttps://www.rohto.co.jp/company/business/regenerativemedicine/stemnavi/