新型コロナ抗体医薬「AZD7442」P3試験で予防と治療に有効性  アストラゼネカ

 アストラゼネカは、開発中の抗体医薬AZD7442のP3試験(TACKLE試験)結果について、唯一の長時間作用型抗体(LAAB)として新型コロナ感染症の予防と治療の双方に有効性が示されたと発表した。
 AZD7442(長時間作用型抗体の併用療法)が、軽症から中等症の症候性COVID-19の外来患者を対象としたプラセボとの比較で、COVID-19の重症化もしくは死亡を統計学的に有意に低減することを示した。
 AZD7442は、新型コロナ感染症の予防及び治療双方の効果をP3試験データで実証した初の長時間作用型抗体であり、筋肉内投与により簡便に投与できる。
 TACKLE試験は、新型コロナ感染症の外来患者を対象としたAZD7442の600mg単回投与の安全性と有効性を評価するP3相無作為化二重盲検プラセボ対照多施設共同試験で、ブラジル、チェコ共和国、ドイツ、ハンガリー、イタリア、日本、メキシコ、ポーランド、ロシア連邦、スペイン、ウクライナ、英国および米国の計96施設で実施された。
 903例の被験者が1:1の割合でAZD7442群(452例)とプラセボ(生理食塩水)群(451例)に割り付けられ、2回の筋肉内投与を受けた。
 主要有効性評価項目は、投与後29日目までの新型コロナ感染症の重症化または全死因死亡の複合評価項目であった。被験者は、15カ月間継続的に追跡された。
 最大7日間のCOVID-19の症状を呈している外来患者を対象としたAZD7442 600mg 1回の筋肉内投与により、プラセボに対してCOVID-19の重症化もしくは死亡(全死因死亡)のリスクを50%低減し、主要評価項目を達成した。
 同試験では、AZD7442投与群において407例中18例、プラセボ投与群においては415例中37例のイベントが報告された。同剤の忍容性は全般的に良好であった。
 事前に計画されていた症状発現から5日以内に治験薬の投与を受けた被験者における解析では、AZD7442はプラセボに対して新型コロナ感染症の重症化または死亡(全死因死亡)のリスクを67%低下させた。
 イベント数は、AZD7442投与群では253例中9例、プラセボ投与群では253例中27例であった。TACKLE試験には、903例の被験者が登録され、1:1の割合でAZD7442とプラセボに無作為に割り付けられた。同主要解析は822例の被験者を対象として実施された。
 TACKLE試験に登録された被験者の90%は、基礎疾患を含め、新型コロナ感染症重症化のリスク因子を有していた。

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