肺動脈性肺高血圧症治療薬「ユバンシ配合錠」 製造販売承認取得 日本新薬

 日本新薬は24日、エンドセリン受容体拮抗薬マシテンタンとホスホジエステラーゼ5阻害薬タダラフィルとの配合剤である「ユバンシ」について、J&J(ヤンセンファーマ)が肺動脈性肺高血圧症(PAH)を効能・効果として製造販売承認を取得したと発表した。同社はユバンシの情報提供活動をJ&Jと共同で実施する。
 PAHは、心臓から肺へ血液を送る肺動脈の血圧が、何らかの原因で異常に上昇する予後不良な疾患で、厚労省により指定難病とされている。薬物治療においては、プロスタサイクリン系薬剤、エンドセリン受容体拮抗薬およびホスホジエステラーゼ5阻害薬の3種類の肺血管拡張薬が汎用され、これら2剤あるいは3剤による併用療法も行われる。
 ユバンシに配合されているマシテンタンはPAH患者の死亡や入院のリスクや発生率、入院日数を減少させることが示されており、タダラフィルは運動耐容能の向上の効果が認められている。
 今回の承認は、J&Jが実施した国際共同P3ピボタル試験(A DUE試験)の結果に基づくもの。同試験では、主要評価項目として投与開始16週後の肺血管抵抗のベースライン値からの変化比を評価した。その結果、ユバンシ投与群はマシテンタン、タダラフィルの各単剤群と比較して統計学的に有意な改善が示された。
 また、ユバンシの安全性プロファイルは、マシテンタンおよびタダラフィルの安全性プロファイルと一貫していた。
 日本新薬は、難病・希少疾患を注力領域として位置づけており、肺高血圧症もそのひとつである。製品として、ウプトラビ(セレキシパグ)、オプスミット(マシテンタン)、アドシルカ(タダラフィル)を取り揃えており、今回新たにユバンシが加わることで、PAHの治療に一層貢献していく。

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