小野薬品は18日、オプジーボとヤーボイの併用療法およびオプジーボ単剤療法について、無作為化二重盲検P3試験(CheckMate-067試験)の10年間の最新追跡調査において未治療の進行または転移性悪性黒色腫患者のファーストライン治療でのヤーボイ単剤療法と比較して、継続して生存期間の持続的な改善を示したと発表した。
提携するブリストル マイヤーズ スクイブ(BMS)が9月15日に公表したもの。これらの結果は、スペイン・バルセロナで開催されている2024年欧州臨床腫瘍学会(ESMO)年次総会において15日に発表され、公式プレスコンファレンス(LBA43)に選出されるとともに、ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディスン誌に掲載された。
最短10年間の追跡調査において、オプジーボとヤーボイの併用療法群の全生存期間(OS)の中央値は71.9カ月(95%信頼区間[CI]:38.2 – 114.4)であった。これは、進行悪性黒色腫に対するP3試験で報告された最長のOSの中央値である。
OSの中央値は、オプジーボ単剤療法群で36.9カ月(95% CI:28.2 – 58.7)、ヤーボイ単剤療法群では19.9カ月(95% CI:16.8 – 24.6)であった。同試験で無作為化された全患者のうち、オプジーボとヤーボイの併用療法群の64%、オプジーボ単剤療法群の50%、およびヤーボイ単剤療法群の33%は、10年間の追跡調査時点でその後の全身療法を受けていない。
また、追跡調査期間10年時点における悪性黒色腫特異的生存(MSS)率は、オプジーボとヤーボイの併用療法群で52%(中央値未達)であったのに対し、オプジーボ単剤療法群で44%(中央値49.4カ月)、ヤーボイ単剤療法群では23%(中央値21.9カ月)であった。
オプジーボとヤーボイの併用療法群またはオプジーボ単剤療法群では、BRAF変異陽性および野生型患者を含む関連サブグループ全体で、持続的かつ永続的な臨床ベネフィットが示された。BRAF変異陽性患者における10年生存率は、オプジーボとヤーボイの併用療法群で52%(95% CI:42 – 62)、オプジーボ単剤療法群で37%(95% CI:27 – 46)、ヤーボイ単剤療法群で25%(95% CI:17 – 34)であった。
BRAF野生型患者における10年生存率は、オプジーボとヤーボイの併用療法群で39%(95% CI:32 – 46)、オプジーボ単剤療法群で37%(95% CI:31 – 44)、ヤーボイ単剤療法群で17%(95% CI:12 – 23)であった。
追跡調査期間10年時点における奏効率(ORR)は、オプジーボとヤーボイの併用療法群およびオプジーボ単剤療法群で各々58.3%と44.9%で、オプジーボの両群ともヤーボイ単剤療法群の19.0%よりも高い奏効率を示した。奏効期間(DOR)の中央値は、オプジーボとヤーボイの併用療法群で未達であったのに対し、オプジーボ単剤療法群では103.2カ月、ヤーボイ単剤療法群では19.2カ月であった。
オプジーボとヤーボイの併用療法の安全性プロファイルは、これまでの結果と一貫しており、新たな安全性シグナルは認められなかった。また、過去3回の解析以降、新たに発生した治療に関連する死亡例はなかった。グレード3~4の治療に関連する有害事象が、併用療法群の62.6 %、オプジーボ単剤療法群の24.6 %、ヤーボイ単剤療法群の29.6 %で報告された。
◆James Larkinロイヤル・マーズデン病院腫瘍内科部門腫瘍内科コンサルタント(Ph.D.、FRCP)のコメント
今回のデータでは、オプジーボとヤーボイの併用療法が、継続して良好かつ持続的な臨床ベネフィットを示しており、数年間にわたり今なお安定した生存曲線が示されている。驚くべきことに、オプジーボとヤーボイの併用療法群での10年生存率は43%であり、さらにその大半の患者さんがその後の治療を必要としなかった。
◆Dana Walker BMSバイスプレジデント兼悪性黒色腫および消化器・泌尿生殖器がん領域グローバルプログラム責任者(M.D.、M.S.C.E.)のコメント
10年前までは、進行悪性黒色腫と診断された患者さんの余命は数カ月とされてきた。オプジーボとヤーボイの免疫療法薬2剤による併用療法は、これらの多くの患者さんの見通しを根本的に覆した。我々が目指してきたのは、悪性黒色腫患者さんの生存期間に対する希望の再定義であり、それは今も変わらない。今回の結果は、この目標に対する我々の取り組みを示すものであり、将来への希望をもたらすものだ。