適正使用推進と中長期的な製品価値の最大化目指して ゾフルーザ

 塩野義製薬は、インフルエンザ治療薬ゾフルーザの2019年度第3四半期決算の数字(売上高3.8億円、対前年比96億円減、-96.2%減)を受けて、同剤の通期売上高予想を初期の280億円から180億円(対前年比-83億円、31.6%減)に下方修正した。今後は、臨床試験で示された同剤の特性の訴求と、サーベイランスの経過報告も含めた安全性情報の収集と情報提供活動に取り組み、「同剤の適正使用推進と中長期的な製品価値の最大化」を図っていく。
 ゾフルーザの期初計画・方針(280億円)として、昨シーズンは情報提供に関する批判があったため、今期はまず、低感受性ウイルスを含む安全性情報を第一にプロモーション活動を展開している。
 具体的には、臨床、非臨床およびサーベイランス研究のデータ公表の都度、最新情報を提供。A/H3N2亜型の小児、特に低年齢の小児(全患者数に占める割合として約10%と推定)においては、低感受性ウイルスの検出率が比較的高いことから、投与に対する注意事項を医師に伝達している。
 また、その他の型/亜型、患者年齢については、ノイラミニダーゼ阻害薬との使い分けによりシェアを折半する見通しで計画を立案した。
 計画とのギャップ(シーズン間の特殊要因)については、フルシーズンでの販売初年度であった前期は、第3四半期に医療機関への初期配荷を、第4四半期(1月)には急遽需給ひっ迫による増産・供給体制を図った。だが、その一方で、供給を図った直後に流行が早期に終息したため、適正在庫を上回る卸在庫が対前年比-96億円の大きな要因となった。
 加えて、今シーズンは想定より早い流行入りの中、昨年10-12月は感染患者に占める小児の割合が、例年通りか多い期間(昨シーズンのデータでは通期で12歳未満の割合が約25%)となった。12歳未満の小児への慎重投与に関する学会からの提言/指針の発表、アカデミア発の論文投稿に対する報道があり、この影響も受けた。同社は、「低感受性ウイルスに対する医療従事者の理解浸透はいまだ不十分であったと認識している」としている。
 本年1月以降は、成人患者割合の増加が予想される一方で、今シーズンはスポットでの流行報告が多く、記録的な暖冬であることから、今後の全国的な広がりを予測し難い。この状況と第3四半期までの出遅れを踏まえて、今回のタイミングで通期売上高予想の-100億円の修正を行った。
 現在、昨シーズンと同様に、ゾフルーザへの感受性が低下した変異ウイルスの蔓延は報告されていない。今シーズンのサーベイランスでも1例の変異が検出されているのみで、これは多剤よりも低い検出率となっている。また、同剤投与後に変異ウイルスを発現した場合でも一定の効果を示すことが臨床試験で確認されている。
 今後、修正計画達成に向けて、臨床試験で示されているゾフルーザの優れた特性の説明活動を改めて強化するとともに、サーベイランスの経過報告も含めて、安全性情報の収集と情報提供活動に取り組み、同剤の適正使用推進と中長期的な製品価値の最大化につなげていく。

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