アッヴィは13日、ウパダシチニブについて、既存治療で効果不十分な成人の巨細胞性動脈炎(GCA)治療薬として、日本で適応追加承認申請を行ったと発表した。同剤は、1日1回経口投与する低分子のヤヌスキナーゼ(JAK) 阻害剤で、現在、関節リウマチを含む7つの適応症に対する治療薬として承認を取得している。
GCAは、自己免疫疾患で、側頭動脈などの頭部の動脈、大動脈およびその他の大型・中型の動脈に肉芽腫性炎症を引き起こす指定難病だ。50歳以上で多く発症し、70代に最も多くみられる。男女比では、女性患者の数は男性患者の約2~3倍とされている。同疾患により頭痛、顎痛および視力の変化や消失(突発性かつ永久的な視力消失を含む)を引き起こす可能性がある。
同疾患は、ステロイドによる治療が中心となっている。症状改善後は、ステロイド用量を減らしていくが、30~50%程度の患者においては症状が再度悪化する場合がある。
また、長期にわたる継続的なステロイドによる治療では、様々な副作用や合併症を引き起こす可能性があるため、慎重な治療が必要である。既存治療の効果が不十分で病態が進行すると、失明、大動脈瘤、大動脈および分枝の狭窄、動脈解離、脳梗塞、心筋梗塞などを発症する恐れがある。
アッヴィは、こうした状況を背景に、炎症性疾患を有する成人患者の治療薬として開発中であるウパダシチニブのGCAに対する適応追加を申請した。今回の申請は、日本を含む国際共同P3試験(SELECT-GCA〔M16-852〕試験)結果に基づくもの。