アッヴィは18日、EPKINLY(エプコリタマブ)について、米国FDAが再発または難治性の濾胞性リンパ腫に対する適応追加を承認したと発表した。
対象は、2回以上の前治療後の再発又は難治性(R/R)の濾胞性リンパ腫(FL)の成人患者。EPKINLYは、同治療で用いられる初めてかつ唯一の皮下投与によるT細胞誘導二重特異性抗体となる。
同適応は、全奏効率(ORR)および効果の持続性に基づき、FDAの迅速承認プログラムのもとで承認された。この適応に対する承認の継続には、検証試験において臨床的有用性を検証、説明することが条件となる。
FDAによる今回の適応追加承認は、P1/2相EPCORE NHL-1試験の結果に基づくもの。この試験では、過去に3次治療(中央値)を受けたR/RのFLの成人患者127名、そのうち70%が2剤に治療抵抗性の患者を対象として、EPKINLYの安全性および有効性が評価された。
エプコリタマブは、アッヴィとジェンマブ社が共同開発を行っている薬剤だ。両社は、米国および日本においては、共同で商業化を担い、グローバルにおけるさらなる商業化についてはアッヴィが担当する。
FLはBリンパ球から発生する非ホジキンリンパ腫(NHL)の1つで、通常、低悪性度(進行が緩徐)である。FLはNHLのうち2番目に多い一般的な病型であり、NHLの全症例の20~30%を占めている。
米国では毎年約1万5000人がFLを発症し、現在の標準治療では治癒不能と考えられている。患者は、多くの場合において再発し、再発を繰り返すたびに、次の治療までの寛解期間が短くなる。
25%以上のFL患者は生存率が低く、NHLの悪性度の高い病型であるDLBCLへ徐々に転化していく可能性がある。
◆Mariana Cota Stirnerアッヴィvice president, therapeutic area head for hematology(M.D., Ph.D.)のコメント
今回のFDAによるEPKINLYの承認は、再発又は難治性の濾胞性リンパ腫の患者さん、特に他の治療が奏功しなかった場合の治療に、新たな治療選択肢を提供するものである。
EPKINLYでの治療により、多くの患者さんで良好かつ長期にわたる奏効が示された。皮下投与は簡便性が高く、患者さんは入院を必須とせずに3段階のステップアップ用量レジメンにてEPKINLYの投与を受けることが可能である。
EPKINLYは複数のB細胞悪性腫瘍に対して、中核となりうる治療法の1つとして、がん患者さんの標準治療の向上に向けた研究を前進させるという当社の使命を後押しするものと確信している。