オプジーボとシスプラチン、ゲムシタビンの併用療法 成人転移性尿路上皮がん一次治療でCHMPが承認推奨 小野薬品

 小野薬品は7日、オプジーボとシスプラチンおよびゲムシタビンの併用療法について、欧州医薬品庁(EMA)の医薬品委員会(CHMP)が、切除不能または転移性尿路上皮がんの成人患者のファーストライン治療薬として承認を推奨したと発表した。提携するブリストル・マイヤーズ スクイブ(BMS)が4月26日に公表したもの。
 今後、CHMPの推奨は、欧州連合(EU)で医薬品を承認する権限を持つ欧州委員会(EC)によって審査される。ECの最終決定は、本年6月までに下される見込みである。
 CHMPの肯定的な見解は、2023年欧州臨床腫瘍学会(ESMO)会議 で発表されたCheckMate -901 試験の副試験の結果に基づいている。
 この副試験において、オプジーボとシスプラチンおよびゲムシタビンの併用療法と、それに続くオプジーボ単剤療法は、主要有効性評価項目である全生存期間(OS)および盲検下独立中央評価委員会(BICR)の評価による無増悪生存期間(PFS)で統計学的に有意かつ臨床的に意義のある改善を示した。
 中央値約33カ月の追跡調査において、オプジーボとシスプラチンおよびゲムシタビンの併用療法は、死亡リスクを22%低減し(ハザード比 [HR] 0.78;95% 信頼区間 [CI]:0.63 – 0.96;p=0.0171)、OSの中央値は、同併用療法群で21.7カ月、シスプラチンおよびゲムシタビン単独群で18.9カ月であった。
 オプジーボとシスプラチンおよびゲムシタビンの併用療法は、死亡または病勢進行のリスクを28%低減し(HR 0.72;95% CI:0.59 – 0.88;p=0.0012)、PFSの中央値は、同併用療法群で7.9カ月、シスプラチンおよびゲムシタビン単独群で7.6カ月であった。
 安全性プロファイルは、このレジメンでこれまでに報告されているものと一貫していた。新たな安全性シグナルは認められなかった。
 CheckMate-901試験は、免疫療法薬と化学療法の併用療法が、標準治療である化学療法単独と比較して、切除不能または転移性尿路上皮がんの成人患者のファーストライン治療薬として、生存ベネフィットを示した最初のP3試験である。
 米国FDAは、優先審査の基に、切除不能または転移性尿路上皮がんの成人患者のファーストライン治療薬として、2024年3月7日にオプジーボとシスプラチンおよびゲムシタビンの併用療法を承認した。
 オプジーボおよびオプジーボを含む併用療法は、尿路上皮がん、腎細胞がん、非小細胞肺がん、悪性胸膜中皮腫、悪性黒色腫、肝細胞がん、胃がん、頭頸部扁平上皮がん、食道扁平上皮がんを含む複数のがん種を対象としたP3試験において、OSの有意な改善を示している。

◆Dana Walker BMSバイスプレジデント兼泌尿生殖器がん領域グローバルプログラム責任者のコメント
 切除不能または転移性尿路上皮がんの適格な患者さんのファーストライン治療においてプラチナ製剤を含む化学療法は、数十年間にわたって標準治療となっていたが、化学療法単独での奏効の持続性は十分ではなく、病勢が進行すると徐々に治療選択肢が限られる。
 ファーストライン治療において、奏効を改善し病勢進行を遅らせ、生存ベネフィットをもたらす新たな治療選択肢が必要とされている。本日のCHMPによる肯定的な見解により、EU内の切除不能または転移性尿路上皮がんの適格な患者さんに新たなファーストライン治療の選択肢を提供できる可能性に一歩近づいている。

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