グラム陰性菌感染症治療薬セフィデロコル 新規リアルワールドエビデンスで良好な臨床効果と安全性確認 塩野義製薬

 塩野義製薬は19日、グラム陰性菌感染症治療薬セフィデロコル(日本製品名:フェトロージャ、米国製品名:Fetroja、欧州製品名:Fetcroja)について、治療が困難とされるグラム陰性菌感染症に対する有効性を評価した新規リアルワールドエビデンス(PERSEUS研究)で良好な臨床効果と安全性が確認されたと発表した。
 これらの成果は、4月27日~30日にスペイン バルセロナで開催される第34回欧州臨床微生物学感染症学会議(ECCMID)で発表される。
 PERSEUS研究は、実臨床でのグラム陰性菌感染症患者に対するセフィデロコルの有効性と安全性の評価を目的に実施されたスペインにおける早期アクセスプログラム(EAP:Early Access Program)を活用した後ろ向き観察研究である。
 同研究は、グラム陰性菌に感染し、治療選択肢が限られた患者で72時間以上連続してセフィデロコルが投与された患者のデータを解析したもの。その結果、主要評価項目である臨床的成功率は84.3%、28日目の全死因死亡率は21.5%であり、良好な臨床効果が示された。
 同研究において、治療選択肢が限られセフィデロコルを投与された重症成人患者261例を含む患者背景は次の通り。

◆最も多かった感染症は呼吸器感染症(47.9%)で、緑膿菌(66.7%)、肺炎桿菌(10.0%)、ステノトロフォモナス・マルトフィリア(7.7%)による感染であった。また、20%の患者は、複数の菌に感染していた。

◆64.8%の患者が感受性を確認した全ての抗菌薬に耐性を有しており、44.4%の患者がセフィデロコルの前に投与された抗菌薬治療に失敗していた。

◆ 評価対象の患者は重篤で、63.2%の患者が集中治療室に入っており、47.1%の患者が人工呼吸器を装着し、28%の患者が敗血症性ショックを起こしていた。
 主な併存疾患は、免疫抑制状態(30.3%)、固形または血液腫瘍(23.8%)、糖尿病(22.2%)、移植(20.7%)、慢性腎疾患(13.0%)、慢性閉塞性肺疾患(10.3%)。
 また、これらの 261 例の患者において、セフィデロコルの忍容性は良好であり、6例の患者で副作用が確認された。

 これらの結果が示すように、同試験においてセフィデロコルによる治療が様々なグラム陰性菌感染症の治療に効果的で忍容性の高さが確認された。

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