ベイフォータス 新生児・乳幼児の下気道疾患発症抑制・予防薬で国内製造販売承認取得 アストラゼネカ

 アストラゼネカは27日、長時間作用型モノクローナル抗体「ベイフォータス」について、新生児および乳幼児の RS ウイルス感染症による下気道疾患の発症抑制・予防薬として国内製造販売承認を取得したと発表した。
 対象は、生後初回または2回目のRS(Respiratory Syncytial)ウイルス感染流行期の重篤なRSウイルス感染症のリスクを有する新生児、乳児および幼児における、RSウイルス感染による下気道疾患の発症抑制」ならびに「生後初回の RS ウイルス感染流行期の前出以外のすべての新生児および乳児におけるRS ウイルス感染による下気道疾患の予防」。同剤はは、薬価収載後すみやかに提供できるよう、アストラゼネカとサノフィがコ・プロモーションする。
 ベイフォータスは、重症化リスクの高い、早産児、特定の疾患を有する新生児、乳幼児におけるRSウイルス感染による下気道疾患(LRTD)の発症抑制に加え、世界で初めて健康な新生児または乳児を RS ウイルスから守るために承認された予防を効能・効果とする医薬品である。
 今回の承認はベイフォータスの 3つの主要な後期臨床試験に基づくもの。すべての臨床評価項目において、ベイフォータスの単回投与は一般的なRSウイルス感染流行期間とされる5 ヵ月間にわたり、RSウイルス感染によるLRTDに対して一貫した有効性を示した。
 RSウイルスは、一般的によく見られるウイルスで、感染力が強く季節的流行を引き起こす。正期産の健康な乳幼児を含め、日本の定点医療機関からは、年間10万人以上の乳幼児の感染例が報告されている。
 ベイフォータスは、2022 年10月に欧州連合(EU)においてRSウイルス感染流行期を初めて迎える全ての新生児および乳児の RS ウイルスによるLRTDの予防薬として承認され、米国において RS ウイルス感染症流行期を初めて迎える全ての新生児と乳児ならびに生後2回目のRSウイルス感染流行期を迎えるRSウイルス感染による重症化リスクの高い乳幼児を対象に2023年6月の抗菌薬諮問委員会による全会一致の勧告を受け、2023年7月に米国FDAから承認された。2024年1月には中国で承認されている。

◆森内浩幸長崎大学大学院医歯薬学総合研究科 小児科学 主任教授のコメント
 2歳までにほぼ全ての子どもが罹患し、その数十%は細気管支炎や肺炎を起こす。流行すると小児病棟はこの病気の患児が増加し場合によっては酸素が投与され、人工呼吸器装着や集中治療管理が必要な事も経験する。
 RSウイルスはずっと昔からいて、毎年多くの子どもたちを苦しめてきた。元々健康な子を含む全ての乳児がこのウイルス〜RS ウイルスのリスクに曝されている。幸いRSウイルス感染症の重症化を防ぐ手段が登場し、全ての乳児に適応できるかもしれない。小児科医にとって、これ以上の朗報はかつてない。

◆森雅亮聖マリアンナ医科大学 リウマチ・膠原病・アレルギー内科 教授/東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科 生涯免疫難病学講座教授のコメント
 私は、免疫不全患者を対象とした開発治験を担当したが、免疫不全をはじめとするRSウイルス感染症の罹患・重篤化のリスクの高い患者さんに有益な薬剤だと確信している。
 また、ベイフォータスは、一回の投与で最低5ヵ月は効果が持続するので、コンプライアンスが良く、貴重な投与機会を逃さずRSウイルス感染症の発症抑制が期待できる利点もあるのではないかと考えている。お子さんのためだけでなく、保護者の皆様のことも思いやった薬剤である。

◆大津 智子アストラゼネカの執行役員 研究開発本部長のコメント
 ベイフォータスにより、日本の全ての新生児および乳児をRSウイルス感染による重篤な下気道疾患から守ることが初めて可能となる。アストラゼネカのサイエンスを基盤としたベイフォータスは、感染に対してもっとも脆弱である新生児、乳幼児が抱えるニーズに対処するもので、感染症による医療制度の負担軽減につながるものである。今後RSウイルス感染流行期にベイフォータスが貢献できることを期待している。

◆デイビッド・ティックサノフィの執行役員ワクチンビジネスユニット ジェネラルマネジャーのコメント
 当社ではベイフォータスを全ての乳児を対象にするためにアストラゼネカと協業して開発を進めてきた。 本薬剤の承認が日本の乳幼児の健康、公衆衛生に貢献できることをとても誇りに思う。

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